ハッピークローバー
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第七十七話 海の家から移りその十
「だからね」
「あしらって終わりですね」
「しつこいとおトイレ行ってきたらでね」
「終わりですか」
「また言うけれど想像して使うのは本人次第だから」
「そこ生々しいですね」
「生々しいけれど頭の中で何されてもね」
それでもというのだ。
「現実じゃないしね」
「止められないから」
「いいのよ」
「どうしようもないですね」
「そうよ、そう言って終わりだけれど」
「知り合いの人達だとですね」
「そうもいかないから」
また顔を合わせるからだというのだ。
「迂闊にはね」
「そうした格好にはならないことですね」
「だから家でも言われるんですね」
留奈はしみじみとした口調で言った。
「変な格好にはならない」
「そうよ、お家の中でもね」
「女の子は出来るだけですね」
「変な格好にはね」
「ならないことですね」
「下着姿とかでいたら」
それならというのだ。
「家族でもよ」
「変に刺激されますね」
「極端に言えば股引ババシャツ腹巻でもね」
そうした色気の欠片もない恰好でというのだ。
「いたらね」
「いいんですね」
「冬はね、実際私実家だと冬どてらだし」
「どてらあったかいですよね」
「あったかいし色気ないでしょ」
「お婆ちゃんって感じですね」
留奈も答えた。
「どてらってなると」
「ジャージにそれだと家族もよ」
「色気感じないですね」
「そうよ、夏でも色気のない恰好をして」
「家族も刺激しない」
「そうよ、知り合いにこそね」
顔を見合わせる相手にこそというのだ。
「注意することよ」
「そうですか」
「世の中はね」
「何か」
かな恵は考える顔になって述べた。
「用心は身近に対してって」
「そうよ、さもないとね」
「大変なことになりますか」
「あんた弟さんいるけれど」
「用心はですね」
「してね、年上趣味じゃなくても」
かな恵の弟、明男がというのだ。
「それでもね」
「注意はですね」
「してね」
そうしてというのだ。
「服や仕草はね」
「気をつけることですね」
「そうした意味で色気のない服装もね」
「いいんですね」
「そうよ、夏は涼しさも大事でね」
「薄着になりますね」
「けれど干してる下着を見せないとか」
店長はこうした話もした。
「畳ませないとかね」
「それお母さんも言ってます」
かな恵もそれはと答えた。
「下着は自分で片付けろって」
「でしょ?家族でも見られることはね」
「よくないですね」
「下着姿だけじゃなくて」
「下着自体も」
「そうよ、家族でも気を付ける」
「それが大事ですね」
「まあ色気のない下着ならいいわよ」
店長はかな恵にも笑って話した。
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