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子猫達が治してくれたもの

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第二章

「ニャ」
「ウニャ~~~」
「ミャ~~~」
「ミャウ~~~」
 メイソンは三匹の親代わりとなっていつも彼等の傍にいて優しく世話をして一緒にいた、そして子猫達が家族に懐くと自分もだった。
 家族に歩み寄って懐いた、そうして一家で仲良く過ごしていると。
「えっ、腎臓がですか」
「治っていますか」
「完治しています」
 獣医はメイソンを連れて来たシャガール夫婦に話した、子猫達も連れて来ていたが彼等の健康に問題はなかった。
「驚いたことに」
「かなり酷かったんですが」
「それがですか」
「子猫達と一緒にいて」
 獣医は夫婦にさらに話した。
「癒されたと思います」
「心だけじゃなくて」
「身体もですか」
「病も気からなのは猫も同じでして」
 人と、というのだ。
「こうして重い病気が治る時もあります」
「心が癒されると」
「猫もですか」
「この子は長生き出来ますよ」
 獣医はメイソンを見つつ夫婦に話した、診察台の上の彼は穏やかである。
「腎臓も治りましたし子猫達に癒され続けているので」
「そうですか、腎臓が酷くて余命幾許もと言われましたが」
「それでもですね」
「はい、そうなります」
 この言葉の通りだった、メイソンは子猫達が大きくなってもずっと元気でいた。そして夫婦共仲良く暮らし末永く生きたのだった。


子猫達が治してくれたもの   完


                   2023・5・17 
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