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ドリトル先生と山椒魚

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第十幕その八

「色々原因はあるけれど反省しないでずっといたこともね」
「そのうちの一つだね」
「北朝鮮への帰国事業に関わったり」
「あの国の拉致はないと言っても」
「そうしたことを全く反省しないで責任も取らなくて」
「同じことを繰り返したからだね」
「だからだよ」
 そうした行いだったからだというのです。
「酷くなる一方で」
「ああなったんだね」
「腐敗しきって」
「どうしようもなくなったのね」
「テロを起こしたカルト教団の教祖を最も浄土に近いと言った人がだよ」
 そうした人がというのです。
「大勢の人を殺した教祖を」
「ああ、あの人ね」
「信者さんに粗末なもの食べさせて自分は贅沢して」
「禁欲説いていてそうで」
「愛人さんも一杯いたっていう」
「そんな人をそう言った人がね」
 先生は苦いお顔で言いました。
「戦後最大の思想家って言われているんだ」
「普通にないよね」
「一般社会ならね」
「絶対に違うって言われるよ」
「そんなこと言ったら」
「僕も思うよ、僕はこの人を評価していないけれど」
 先生としてはです。
「日本の知識人の人達の多くは違ってね」
「そんな人が戦後最大の思想家なんだ」
「そう言われて持て囃されてるんだ」
「絶望的だね」
「どうしようもないね」
「本当に他の世界なら馬鹿にされる様な人でもなんだよ」
 言っていることがあまりにも酷くてです。
「日本の知識人の間ではね」
「尊敬されるんだね」
「反省してこなくて酷くなる一方だったから」
「そうなったんだ」
「そうだよ、ハンガリー動乱で逆にハンガリーをこう批判した人もいたよ」
 先生は暗いお顔で言いました。
「百姓国だってね」
「命懸けでソ連に抵抗した国にだね」
「その国の人達に」
「どうせソ連の肩を持ったんだろうけれど」
「酷い発言だね」
「こんな人が東大教授で法政大学の総長だったんだ」
 そうした立場にあったというのです。
「それで今もこの人の名前を冠した賞とかあるよ」
「それも酷いね」
「日本の知識人の世界ってそこまで酷いんだ」
「テレビも酷いけれど」
「全体が腐敗しきってるんだね」
「日露戦争でも勝って日本の政治家達は戦争をすれば儲かると錯覚したと言った国立大学の教授もいるしね」
 この人のこともお話しました。
「事実は全然違うけれどね」
「実は日本は借金だらけになったね」
「勝ったにしても」
「それで戦後まで借金返して」
「四苦八苦したけれど」
「反省しないと人間は酷くなる一方だね」
 先生は心から思いました。
「巨人と言い知識人の人達といい」
「全くだね」
「今先生が言った人達一人も反省してないよね」
「どの人も最悪と言っていいけれど」
「そうだね」
「してないだろうね、開き直るか口を拭って」
 その様にしてというのです。
「同じことを繰り返してきたからね」
「そうした人達は」
「そうしていってだね」
「進歩もしなかったんだね」
「そうだよ、人に反省を強要することは僕はしないけれど」
 それはというのです。 
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