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八条学園騒動記

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第六百九十八話 本当に全くわからないその九

「あってね」
「その頃から皇帝だな」
「そしてバチカンよりもよ」
 即ち教皇庁よりもというのだ。
「皇室はね」
「古いな」
「そんなお家だから」
「エウロパにとってはだな」
「もうどうにもならない」
「そんな相手だな」
「王様しかいないから」
 今のエウロパにはというのだ。
「王様は皇帝より下だから」
「これ絶対なのよね」
 彰子は君主の格式について言った。
「何処でも」
「ああ、王は皇帝に任命される」 
 ダンは彰子に答えた。
「だから日本の皇室の女性の方はだ」
「内親王なのね」
「王だな」
「ええ、そうよね」
「そして男性の方は王になる」
 例えば長屋王である。
「そうなる」
「そうなるから」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「わかるな」
「ええ、皇帝は王様を任命出来るわね」
「そして一つの文明の長である」
「日本文明ね」
「国を超えたそうしただ」
「凄い存在ね」
「それが皇帝でだ」
 この君主であってというのだ。
「欧州ではローマ皇帝でな」
「その後の人達よね」
「そうだ、まさにな」
 そうなるというのだ。
「カール大帝もな」
「ローマ皇帝だったけれど」
「ローマ帝国の後継者だった」
「ビザンツ帝国もよね」
 彰子はこの国のことにも言及した。
「そうよね」
「そうだ、まさにな」
「あの国は東ローマ帝国だったから」
「カール大帝、神聖ローマ帝国が西ローマ帝国でな」
 この国の後継国家であり皇帝であってというのだ。
「ビザンツ帝国はな」
「東ローマ帝国で」
「そこの皇帝だった」
「そうだったわね」
「そして中国もな」
 連合のこの国もというのだ。
「皇帝だった」
「あの国は有名ね」
「そうだな」
「もう皇帝といったらね」 
 それこそとだ、彰子は言った。
「中国っていう位ね」
「皇帝で有名だな」
「そうよね」
「もう共和制だが」
 そうなって千年以上経っている。
「しかしな」
「それでもよね」
「やはり皇帝というとな」
「中国よね」
「ローマ帝国とだ」
 それにというのだ。
「中国はな」
「皇帝よね」
「そして日本もな」
 この国もというのだ。
「天皇は皇帝だからな」
「紛れもなくね」
「今はエウロパにはない君主でそれにあたるのは」
 日本の天皇にというのだ。
「エウロパ総統やローマ法皇だな」
「そうした人達ね」
「だからかなり嫉妬してな」 
 日本の天皇そして皇室にというのだ。
「嫌っている」
「そういうことね」
「何か嫉妬されてもね」
 七海は冷めた声で述べた。 
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