ドリトル先生と山椒魚
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第十幕その一
第十幕 奥さんが来て
いよいよ動物園に雌のオオサンシュウウオが来る人なりました。それで雄のオオサンショウウオはお水の中でうきうきとしています。
「いい娘だっていうからね」
「楽しみなんだね、君も」
「僕にとても合っている娘っていうからね」
「それはいいね、やっぱりお付き合いするならね」
先生はオオサンショウウオにお水の傍で言いました。
「性格がよくてね」
「相性のいい娘だね」
「そづだよ、性格が悪いとね」
そうした相手だと、というのです。
「どれだけ外見がよくても」
「一緒にいられないね」
「日本だとマスコミや野党の人に多いかな」
先生は具体的な例を挙げました。
「とても少しでも一緒にいられない」
「そんな人が多いんだ」
「うん、あまりにも性格が悪くてね」
「先生みたいな人でも無理なの」
「僕は大した人でないしね」
この場合の『みたいな』という言葉に応えて言いました。
「あまりにも性格が悪い人とはね」
「一緒にいられないんだ」
「人のことをあら探ししてあれこれ関係のない時まで言って」
そうしてというのです。
「自分のことは言わないでしかも底意地が悪くて努力もしない」
「自分に甘く他人に厳しい?」
「徹底してね」
そうだというのです。
「そうした人とはね」
「先生もなんだ」
「一緒にいられないよ、近寄ってこられても」
例えそうして来られてもというのです。
「そうした人は友情とか愛情がね」
「ないんだ」
「人は利用するもとね」
その様にというのです。
「思っているから」
「そうした人だからなんだ」
「失礼なことは言わない様にするけれど」
この辺り先生は紳士ならではです。
「けれどね」
「それでもだね」
「お付き合いもね」
「お断りだね」
「そうするよ」
実際にというのです。
「僕も利用されるだけで後はポイとかね」
「されると嫌だね」
「人を利用するだけの人は笑顔に出るよ」
そこにというのです。
「やけに下卑た媚た笑顔だからね」
「そうした笑顔なんだ」
「それで来るから」
「自分から?」
「そうした笑顔で来る人とは」
「お付き合いしないことだね」
「今お話した人達はね」
マスコミや野党の人達はというのです。
「そうした笑顔で来る人が多いだろうね」
「そしてそんな人とはだね」
「僕も一緒にいられないよ」
「結婚もだね」
「しない方がいいね」
先生はきっぱりと言い切りました。
「不幸になるから」
「嫌な人と一緒にいたら」
「人を利用するだけの人が困ってる人を助けるかな」
「それは絶対にないね」
オオサンショウウオも断言しました。
「むしろ真っ先にね」
「逃げるね」
「どんな生きものでもね」
「人間だけでなくね」
「そう、だからね」
それでというのです。
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