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新オズのカボチャ頭のジャック

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第十幕その五

「よくなっていくのだよ」
「果てしなくだね」
「だからだよ」
 その為にというのです。
「オズの国は素晴らしいのだよ」
「科学と魔法が一緒にあって」
「それがいい意味で影響し合っていてね」 
 そうなっていてというのです。
「今で最高と思ったら」
「さらにだね」
「よくなるのだよ」
「外の世界だってそうみたいね」
 オズマはこちらの世界のお話をしました。
「今が最高だって思ったら」
「はい、何でもお父さんお母さんは」 
 恵梨香は自分のご両親のお話をしました。
「子供の頃便利になったって周りからいつも言われて」
「それでなのね」
「今がです」
「最高だって思っていたのね」
「インターネットや携帯電話が普及して」
 そうなってというのです。
「そう思っていたそうですが」
「それがでしょ」
「今はその頃より遥かによくなったって」 
 その様にというのです。
「言っています」
「そうよ、今で最高と思っても」
「まだよくなるものですね」
「オズの国もそうでね」
「外の世界もですね」
「同じよ、どんどんね」
「よくなるんですね」
 恵梨香は言いました。
「オズの国も外の世界も」
「そうよ、よくなることはね」
「無限ですね」
「人も世の中もね」
 まさにとです、オズマはお話しました。
「一番とか最高はね」
「ないんですね」
「その先があるから」
「じゃあ自分がこの世で一番偉いと思う人は」
「かつてのラゲドーさんみたいによね」
「外の世界でもそんな人いますが」
「とんでもない間違いよ」
 オズマは一言で否定しました、その間手を動かして皆と一緒に農具の手入れをしています。手入れされた農具は見る見るうちに奇麗になっています。
「それはね」
「今お話した通りにですね」
「そう、何処までもよくなれるのに」
「一番偉いとか思ってもですね」
「まだ先があってね」
 そうしてというのです。
「そう思ったら努力しなくなるでしょ」
「はい」
 それはとです、恵梨香も答えました。
「そう思ったら」
「そうなってね」 
 オズマはその恵梨香にお話しました。
「努力することなんてね」
「なくなりますか」
「だって自分が一番つまり最高だったら」
 そう思い込んだらというのです。
「もう努力することなんてね」
「ないとですか」
「思うから」
 だからだというのです。
「もうそう思った時点でね」
「努力することはなくなりますか」
「そして他の努力する人達がね」
「よくなっていって」
「追い越していくわ」
 こうお話するのでした。 
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