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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その三十一

「日本も他の国も」
「国防は、ですか」
「少なくとも六百億の人口を十個艦隊ではです」
 この規模の国軍ではというのだ。
「防衛を全うするには不安があります」
「そう考えてですか」
「よりです」
 今以上にというのだ。
「軍を拡大したいですが」
「具体的にはどの規模まで」
「二十個艦隊は」
 議員は基幹戦力である艦隊の数から話した、大体一個艦隊が一万隻としてそこから数えているものだ。
「欲しいかと」
「二十個、今の倍ですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そして将兵の数も」
「二千万かですね」
「それより多少上かは」
 それだけの規模はというのだ。
「必要だとです」
「考えておられますか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そのことを中央政府にもです」
「国家としてですか」
「申し上げたいですが」
「国軍の規模の拡大ですか」
「如何でしょうか」
「ですがそれをされますと」
 国軍の拡大をとだ、八条は魚の素揚げを食べた、鯛を一匹丸ごとそうしたものでありかつて徳川家康が食べた料理だ。
「国防費が多くなり」
「それによってですね」
「日本の予算を圧迫するのでは」
「いえ、これでもです」
 軍の規模を倍にしてもとだ、議員も素揚げを食べつつ笑って答えた。
「特にです」
「国防費は負担しないと」
「そうです、ですから」
 それ故にというのだ。
「私も申し上げています」
「そうなのですか」
「連合の状況で他の分野を圧迫してまで国防費を多くすることは」
 そうした政策はというと。
「愚の骨頂です」
「あくまで他の政策の予算を圧迫しない程度ですね」
「その程度で、です」
 まさにというのだ。
「いいですし」
「それで、ですか」
「私もです」
 まさにというのだ。
「申し上げています」
「そうですか」
「何もエウロパの様になるつもりはないです」
「過度な軍備を持つことはですね」
「考えていません」
 一切というのだ。
「とはいってもここだけの話ですがエウロパにも事情がありますね」
「巨大な我々と対しているので」
「人口にして四十倍、総生産で六百倍で」
「軍の規模も十三倍で」
「そして技術力も三百年は開いています」
「だそれだけの相手と対していますと」
 八条はまた飲んだ、漆の杯で飲む酒は実に美味く感じ八条はその酒の味も楽しみつつそのうえでさらに話した。
「やはりです」
「どうしてもですね」
「はい、エウロパはです」
 この国はというのだ。 
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