八条学園騒動記
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第六百九十八話 本当に全くわからないその五
「今はそう言われている」
「基地のことしか言わない知事さんね」
「本当に他の政策はな」
それこそというのだ。
「全くと言っていい位にな」
「なかったのね」
「それで運動家の様だった」
「運動家ってあれでしょ」
七海はそう聞いてこう言った。
「もうまともな人がね」
「なるものじゃないな」
「人間として最低どころじゃない」
「そんな連中がなるな」
「そうでしょ」
連合ではよく言われることだ。
「間違ってもね」
「当選させたら駄目だな」
「私はそう思うけれど」
「俺もだ」
「誰もがそう思うわね」
「けれど当時はな」
ダンは七海に難しい顔で話した。
「本当にな」
「そんな人が知事さんになったの」
「今で言うと国王陛下、いや」
「知事さんは政治するから」
「首相か」
琉球王国で言うならというのだ。
「そうなるか」
「運動家みたいな人が総理大臣で」
「沖縄の政治をやっていたんだ」
「滅茶苦茶になりそうね」
「実際本当に基地のことしか頭になくてな」
そうしてというのだ。
「言うこともやることもな」
「基地のことね」
「それも反対しか言わなくて」
それでというのだ。
「なくした後とかのことはな」
「考えてなかったの」
「そうだった、それで他の人の批判もな」
「運動家の人って自分しかないから」
彰子が言ってきた。
「そうだったから」
「聞かなかった」
「やっぱりそうだったのね」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「その知事さんの後はな」
「大変だったのね」
「本当にな」
「何もしなかったから」
「ああ、基地しか言わなくてな」
「他のことは一切しなかったから」
「何年もな」
何しろ任期が複数であったのだ、それだけの歳月の間沖縄県はその知事の完全な無策の下にあったのだ。
「だからな」
「大変だったのね」
「そんな時代もあってな」
「その頃のことも言われてるのね」
「琉球ではな」
「そうなのね」
「だがそんな時期も乗り切って」
そうしてというのだ。
「落ち着いて日本が連合に入って」
「それからなの」
「日本から独立してな」
「琉球王国に戻ったら」
「おおむね平和にな」
そうしてというのだ。
「歴史が続いたからな」
「そうした歴史だったから」
「薩摩藩のこともな」
「攻められただけなのね」
「そうだ、それで薩摩星系との交流もあるが」
それでもというのだ。
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