X ーthe another storyー
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第十六話 交流その五
「八頭司さん変わったわね」
「よくお話する様になったわね」
「お話すると面白いわね」
「色々なこと知っていて」
「教えてくれることも的確で」
「頼りになるわ」
「そうなの」
颯姫はクラスメイト達の言葉に無表情で返した。
「私は」
「あれっ、字画なかったの?」
「前まで本当に無口でね」
「何も言わなかったから」
「無口だった自覚はあるから」
このことはと返した。
「けれど私のお話は面白いのね」
「そう、教えてくれるし」
「最近が学校の問題とかも」
「あと困っていることも」
「何でも聞いたら答えてくれて」
「それも的確だから」
「そうなのね」
自分への評価を聞いて言った。
「私は」
「そう、本当にね」
「頼りにしてるわ」
「これからも何でもお話してね」
「助けてくれるなら助けさせてもらうし」
「私達もね」
「そうさせてもらうわ」
こうお話した、そしてだった。
クラスメイト達とさらに話した、すると家では。
両親と食事を摂ったがそこでも話したが。
「いや、颯姫変わったな」
「そうよね」
「前までコンピューターばかりでな」
「私達もそれならってなったけれど」
「それがな」
「最近では私達ともお話をするし」
二人で娘に話した。
「表情は変わらなくても」
「口調もな」
「けれど親しみも感じる様になったわ」
「そうだな」
「人間味が出て来た」
「そう言うのかもな」
「お父さんとお母さんもそう言うのね」
二人で話すのだった。
「私が変わったって」
「私達もな」
父はここで申し訳なさそうに話した。
「お前をこれまで親としてどうだったか」
「貴女が頭がいいならそれでいいと思って」
「企業に力を貸してもらったり」
「そんなことでお金を稼いでもらう様なことばかりで」
「お前を娘と思わなかった」
「そうだったかも知れないわ」
「済まない」
娘に頭を下げて謝った、食事の途中だがそうした。
「これまでそうしてきて」
「私達も反省したわ」
母も頭を下げて行ってきた。
「これからは貴女と向き合うわ」
「親としてな」
「それでこれからもね」
「こうして一緒に食べてだ」
そうしてというのだ。
「会話もしていこう」
「家族として一緒にやっていきましょう」
「家族。私達が」
颯姫は両親の今の言葉に目を向けた、自然とそうなった。
「前からじゃなくて」
「これからは本当の意味でな」
「そうなりましょう」
「今更だが」
「三人でね」
「わかったわ」
颯姫は頷いて応えた。
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