X ーthe another storyー
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第十六話 交流その三
「けれどね」
「それでもね」
「戦う時以外は」
「こうしてね」
「一緒にいてね」
「お話をしてもね」
「いいから」
庚がそうしろと言っているからだというのだ。
「そうしていこう」
「そうしましょう」
こうした話をしたのだった、そしてだった。
同じ頃空汰と嵐は颯姫と高等部の食堂で共に食べていたが。
八宝菜とカツ丼、焼きそばを食べる空汰にだ、颯姫は言った。
「美味しいかしら」
「ああ、めっちゃな」
空汰は勢いよく食べつつ笑顔で答えた。
「美味いで」
「そうなのね」
「それはそうとしてな」
空汰は颯姫に言葉を返した。
「あんたもよお食うな」
「そうかしら」
「ああ、見たらな」
主食がトーストのハンバーグ定食で天丼も食べている颯姫に言うのだった。
「そやな」
「今日の分のカロリーと必要な栄養を摂取しているの」
「それだけかいな」
「ええ、そうよ」
無表情での返答だった。
「私はね」
「そうなんか」
「だからね」
颯姫はさらに言った。
「味はね」
「どうでもええか」
「三食で足りなかったら」
「栄養がかいな」
「サプリメントでね」
それを口にしてというのだ。
「補っているわ」
「サプリメントなあ」
「貴方もどうかしら」
空汰を見つつ言ってきた。
「その日足りない栄養はね」
「サプリメントを食ってか」
「飲んでね」
そこは訂正した。
「そうしてよ」
「補うんやな」
「そうしたらどうかしら」
「いいことね」
嵐は颯姫の話を聞いて無表情で頷いて述べた。
「そのことも」
「貴女は同意してくれるね」
「栄養を摂ることも大事よ」
だからだというのだ。
「食べることとね。ただね」
「ただ。何かしら」
「美味しいものをお腹一杯食べられることは」
嵐は自分の幼い日を思い出しつつ颯姫に話した。
「有り難いことよ」
「そうなの」
「とてもね。そしてね」
嵐は自分の言葉を続けた、食べているのはナポリタンにチキングリルそしてサラダといったものだ。
「誰かが傍にいてくれることも」
「有り難いことなの」
「そうよ」
「私はそうは思わないけれど」
「貴女はそうなの」
「コンピューターがあって」
そうしてというのだ。
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