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八条学園騒動記

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第六百九十七話 弱肉強食とその九

「しかも混血していて」
「白人だけじゃなくて」
「黄色人種も黒人もアボリジニーもで」
「色々混血しているから」
「それぞれのいい部分を受け継いでいるから」
 これも連合の考えだ、所謂混血至上主義である。
「あの人達よりもね」
「頭も運動神経もいいのね」
「そうよ、しかしね」
「しかし?」
「エウロパの人達が連合に入って」
 工作で、というのだ。
「日本語に苦労してね」
「方言がわからないなら」
「もうね」
 それならと言うのだった。
「いいことね」
「そうね」
 彰子もそれはと応えた。
「それなら」
「薩摩星系や津軽星系の言葉がわからないなら」
「それならね、しかし日本語の方言は」
 彰子はあらためて話した。
「かなり違うわね」
「そうね、方言がそんなに差がある言葉ってね」
「日本語位かしら」
「私もそう思うわ」
 七海は彰子の言葉に頷いた。
「薩摩星系や津軽星系だけじゃなくて」
「他の星系の方言も凄いからね」
「独特よね」
「あれよね、土佐星系の方言が」 
 彰子はこの星系の話もした。
「坂本龍馬さんが使ってた」
「あの言葉よ」
「そうだったのよね」
「板垣退助さんもね、そういえばお二人同じ土佐藩でも」
 この藩にいたがというのだ。
「生まれは違うのよね」
「龍馬さんは郷士でね」
 商人かなり羽振りのいい家で武士の身分を買ったという、裕福な家であるので土佐から江戸まで剣術の修行にも行かせることが出来た。
「板垣さんはね」
「上士だったわね」
「同じ武士でもね」
 七海は彰子に話した。
「身分が違ったのよ」
「龍馬さんと板垣さんは」
「それでお二人会ったことなかったのよ」
「同じ土佐藩でも」
「お互い凄い人がいるってね」
 その様にというのだ。
「知ってたらしいけれど」
「直接お会いしたことはなかったの」
「そうみたい、ただ縁はね」
 これはというと。
「あったのよ」
「そうだったの」
「中岡慎太郎さんはお二人の共通の知り合いだったし」
「龍馬さんと一緒に暗殺された」
「そう、あの人板垣さんの盟友でもあったのよ」
「それで龍馬さんともなのね」
「盟友同士でね」
 そうした関係でというのだ。
「縁があったのよ」
「中岡さんを通じて」
「龍馬さん同志の人達に板垣さん紹介してたし」
 こうした人物がいるとだ。
「板垣さん龍馬さんの脱藩の罪を解く為に動いてたし」
「そうだったのね」
「会ったこともなくて身分も違ったけれど」
 それでもというのだ。
「板垣さんって竹を割ったみたいな性格で頼まれると応える人で」
「いい人だったのね」
「身分の低い人にも寛容でね」
「そんな人だったのね」
「龍馬さんは物語にある様な」
 七海は龍馬の人間性の話もした。 
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