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神々の塔

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第十六話 ローマの中でその四

「その気になったら八つの頭でな」
「どんどん出せるわ」
「それがやね」
「強いのよ」
「お口が一つだけでも」 
 綾乃はそれでもと話した。
「強いけど」
「それが八つになってね」
「しかも色々な種類のブレス吐けるから」
「普通のドラゴンより遥かに強いのよ」
 八岐大蛇はというのだ。
「綾乃ちゃんにはこの大蛇もあるからね」
「強いんやね」
「そうよ、綾乃ちゃんでないとね」 
 さもないと、とだ。アレンカールは綾乃本人に話した。
「八岐大蛇は動かせへんし」
「うちの神具やさかい」
「だからね」
「術にその大蛇の存在があって」
「綾乃ちゃんは強いのよ」
「そうなるんやね」
「神具もその人の力よ」
 持っている者のというのだ。
「まさにね」
「そやね」
 綾乃もそれはと頷いて応えた。
「言われてみれば」
「正直三人共かなりの脅威やったわ」 
 シェリルは少し苦笑いになって延べた、日本と自分とリーが率いている南洋が戦った時のことを思い出しての苦笑いだ。
「神星が三人はな」
「それだけでかなりのもんやね」
「もう圧倒的な」
 そこまでのというのだ。
「力でな」
「うちもやね」
「むしろ綾乃ちゃんが一番な」
「強かったんやね」
「敵としてはな、それはな」
「やっぱり大蛇やね」
「あれがあってな」
 それでというのだ。
「ほんま暴れ回ってくれるさかい」
「一番強いんやね」
「敵として見たら、そして」
「味方してもやね」
「そや、強敵は味方にしたら」
 そうすればと言うのだった。
「これ以上はない味方や」
「そう言われたらわかるわ」 
 笑顔でだ、綾乃はシェリルの今の言葉に応えた。
「ここにおる皆がな」
「かつて戦って」
「その時はめっちゃ強くて困ったわ」
 今その強さを言われている綾乃も言うのだった。
「ほんまに。けど今は」
「戦が終わってな」
「一緒にやる様になって」
 味方同士になってというのだ。
「ほんま助かってるわ」
「私もやで」
「ここで戦っても頼りになるし」
「他のことでも」
「政をしてる時も」 
 枢軸との戦までずっとこれがメインだった、十星連合は国を豊かにして発展することに専念していたのだ。
「頼りになったわ」
「そう言ってくれて嬉しいわ、ただな」
「ただ?」
「やっぱり私等の棟梁は綾乃ちゃんが一番や」
 その綾乃を見て笑顔で言った言葉である。
「ほんまな」
「そやねんね」
「神星そして全ての星の頂点である三極星の一人で」 
 そうであってというのだ。 
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