神々の塔
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第十六話 ローマの中でその一
第十六話 ローマの中で
その階に入ってだ、メルヴィルはすぐに顔を顰めさせて言った。
「今度はまた変なところやな」
「ここダンジョンとは思えんな」
トウェインもそうした顔になって続いた。
「これはな」
「ローマ帝国の頃のな」
「そんな感じやな」
「石造りでな」
「ほんまそんなところやな」
「街中やし」
「ローマのそうした場所みたいやな」
こう二人で話した、そして。
メルヴィルは身構えつつだ、トウェインにこうも言った。
「ただ街は街でな」
「ああ、ダンジョンになる」
トウェインもわかっている感じで述べた。
「そや」
「そうしたところやからな」
それでというのだ。
「この階もな」
「冷静にな」
「先に進んでいこうな」
「焦らずにな」
「何でも焦ると負けやが」
メルヴィルはさらに言った。
「ダンジョンでもや」
「迂闊に先に先に行くとな」
「罠にかかるか」
「モンスターの攻撃受けてや」
そうなりというのだ。
「それでや」
「やられるわ」
「レベルやステータスに関係なくな」
「慎重さも忘れたらあかんわ」
「そやからな」
「今回も慎重にやな」
トウェインはこう言いつつだった。
術を使い一行を宙に浮かせ灯かりも点けかつ守りも固めさせて万全の状況にしてそのうえでだった。
今回は自分が先頭になって先に進みはじめた、そして。
スケルトンの兵士達が出て来たが十人程いた彼等は。
施が如意棒で一掃したが施は如意棒を手にしたまま言った。
「装備はローマっていうかな」
「ギリシアやな」
羅も彼等を見て言った、見れば倒されたがもう起き上がっている。
「古代のな」
「装備はな」
「そんな感じやな」
「似てるけどな」
「またちゃうな」
「ああ、ってことはな」
「ギリシアの神様の手のモンか」
羅は負けたことで金を出す彼等を見つつ話した。
「そうか」
「種族に関係なくな」
「はい、私達はヘルメス様にお仕えしています」
一際立派な鎧の者が言ってきた。
「そうなのです」
「ああ、そうか」
「やっぱりそうか」
「ギリシアの武具と思ったら」
「そっちやったか」
「はい、ただヘルメス様はまだ上におられまして」
上の階段にというのだ。
「私達はこちらの階段に出ただけです」
「それだけか」
「そやねんな」
「この階の管轄はローマの神霊方の管轄ですが」
それでもというのだ。
「ギリシアの神々はローマとの関係も深いので」
「助っ人か」
「それで来てるか」
「左様です」
スケルトンの代表、士官と思われる彼は恭しく答えた。
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