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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第三十三章

 木場はまだ村上を見ていた。村上も木場を見ている。
「どうやら私の相手は決まりですね」
「そうみたいね」
 影山がそれに応える。
「村上君、頑張ってね」
「ふふふ、それでは私もまた」
 顔が急変する。そのままオルフェノクになる。木場と村上は対峙した。
「貴方とは何かと縁がありましたがこれで終わりですね」
「いや、終わるのはそれだけじゃない」
 木場は彼とはまた別のものを見ていた。その見ているものを前にして言っていた。彼は今村上を見ていたが他のものも見ていたのだ。それこそが重要なのであった。
「俺のしがらみも。ここで消してやる!」
「そうですね。貴方が死ぬことで」
 村上は一歩前に出た。
「それが完成されるのですよ」
「俺は死なない」
 無論木場もそのつもりはない。一歩前に出る。
 二人も戦いに入った。木場は剣を抜き村上に立ち向かう。
「やってやる!」
「ははは、では私は」
 あの薔薇を出した。薔薇が木場を襲う。しかし彼は剣を前にかざしそれを防ぐ。
「やらせない!」
 オーガの力を発揮した。薔薇を防いだ後で接近戦に突入する。
 乾も木場を見ていた。しかし彼は今は目の前の強敵を前にしていた。
 レオが前にいる。レオは空から銃で彼を襲う。
「サア何ナノダ?」
 彼はその上から乾に問う。
「御前ノ切リ札トヤラハ」
「見たいっていうんだな」
「ソノ通リダ」
 彼は答える。
「面白ソウダ。見セテミロ」
「じゃあ見せてやるぜ」
 乾は腰を落とす。屈んだ姿勢で攻撃態勢に入る。
 跳んだ。オートバジンを踏み台にする。
「ムッ!?」
「闘いってのはな、やり方が色々あるんだよ!」
 跳びながら叫ぶ。照準を合わせる。赤い一条の光がサイガをターゲッティングした。
 斜め下から彼を襲う。クリムゾンスマッシュがレオに向かって放たれた。
「これでどうだっ!」
 突然の攻撃にレオも流石に為す術もなかった。直撃こそかわしたが地面に叩き付けられた。背中から直撃を受けたのでロケットに激しいダメージが加わった。煙が起こり使い物にならなくなった。
「マサカソウ来ルトハナ」
「あまり俺を舐めてるからだ」
 乾はダメージを受けながらも起き上がるレオに対して言った。
「さあ、今度はどうするんだ?」
「ソレデ勝ッタトハ思ワナイコトダ」
 レオは今度はトンファーを出す。両手に持ち構えを取った。
 乾もファイズショットを装着する。それで接近戦に入った。
 海堂は剣を手にするジェイと戦っている。やはり彼は強い。
 だが海堂もまた剣を持っていた。それを手に突っ込む。
「無駄だ」
「ただ俺が突っ込んできたと思ってるのかよ」
「何っ!」
「喰らえっ!
 隠していたカードを切る。それは猛毒だった。
「うっ!」
 海堂はここで口から猛毒を吐いてきたのだ。それはまともにジェイの顔にかかった。
「毒・・・・・・これは」
「海蛇の毒ってのはな。かなり強いんだぜ」 
 海堂は今の切り札を見事当てて会心の声をあげる。
「そしてだ・・・・・・これでよ!」
 そのまま突進する。その手でジェイの胴を一閃する。
「これでどうだ!」
 二人の影が交差した。一瞬動きが止まる。それが終わってからジェイの身体ががくりと前に落ちる。
 その横では長田が影山と闘っている。長田は影山の剣と爪の前に防戦一方だ。
「ふふふ、動きが鈍くなってきたのじゃないかしら」
「くっ・・・・・・」
「動きが鈍くなっているわよ。そろそろ限界かしら」
「まだ・・・・・・!」
 しかし長田はまだ顔をあげている。それでも限界が近いのは明らかだった。実際に動きが鈍くなっていたからだ。それは自分でもわかっていた。
 だからこそ自分でも残された時間が少ないのはわかっていた。彼女も賭けに出ることにした。
「可能性は少ないけれど・・・・・・」
 長田は一か八かの賭けに出ることにした。彼女は一旦動きを止めた。隙をわざと見せてきたのである。
 
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