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ハッピークローバー

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第七十五話 合宿最後の日その八

「あそこは」
「それが看板がね」
 これがとだ、かな恵は答えた。
「そうなってるから」
「思いきり嘘の看板でもなの」
「共産主義だから」
 そう言っているからだというのだ。
「そっち陣営だったし」
「だからなの」
「学校の先生とかね」
 ここには大学の教授も含まれている。
「知識人の人達が」
「北朝鮮好きだったの」
「それで指示していたの」
「馬鹿としか言えないわね」
 ウェールズの娘は心から軽蔑した顔で言った。
「もう」
「そうよね」
「かな恵ちゃんも思うわよね」
「あってあそこが共産主義かって」
「言うまでもないわよね」
「共産主義自体に問題があっても」
 それでもというのだ。
「その共産主義ですらね」
「あそこはないからね」
「だって世襲だし」
 国家元首はというのだ、共産主義は世襲を否定している。
「それに階級もね」
「あるしね」
「生まれでね」
 出生身分という、革命とやらに近いかどうかという基準でそれが定められてそれ次第で職業や待遇が決まるのだ。
「それも決まるし」
「共産主義って階級ないのよね」
「それが看板だけれど」
「あそこ階級あるから」
「もうね」
 それこそというのだ。
「共産主義ですらね」
「ないわよね」
「そう、だからね」
「あそこを共産主義って言うのは」
「私も違うと思うし」
 かな恵はあらためて話した。
「それで好きとか支持とか」
「有り得ないわね」
「何処がいいのか」
「わからない位よね」
「あそこに生まれたら」
 かな恵はこうも言った。
「それだけで地獄よね」
「間違いないわね」
 ウェールズの娘もそれはと答えた。
「食べものないし」
「言論弾圧凄いしね」
「階級もあるし」
「悪いことばかりしてるし」
「あんな国で生まれたら」
「それだけで地獄よね」
「確実にね」
 かな恵に確信を以て答えた。
「死んだ方がまし以前に」
「生きられないわね」
「食べものがないからね」
 そもそもというのだ。
「もうその辺りの草とかも食べるのよね」
「そうでもしないとね」
「生きられないのよね」
「そんな国だと」
 かな恵も確信を以て言った。
「生まれた時点でね」
「地獄ね」
「まさにね」
 それこそというのだ。
「将軍様に生まれない限り」
「いや、将軍様でもね」
「嫌?」
「だって独裁者っていつも命狙われてるって」 
 その様にとだ、かな恵に話した。 
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