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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その十

「総生産はどうか」
「技術が近くても」
「それでもですね」
「漢王朝とローマ帝国は同じ時代に存在しました」
 丁度時代が重なるのだ、後漢とローマ帝国の前半が大体同じ頃でローマからの使者が後漢の皇帝に会ったりもしている。
「技術的には変わりませんでした」
「そのレベルは、ですね」
「左様でしたね」
「ローマの技術も凄かったですが」
「漢も然りでしたね」
「そして人口も同じ程度でした」
 どちらもおおよそ五千五百万から六千万程であった。
「しかし総生産は違いました」
「漢の方が高かったですね」
「それも十五倍程ありましたね」
「そこまでの差がありましたね」
「それは漢の方が多くの穀倉地帯を持ち資源もあったからです」
 黄河、長江流域に森林資源そして銅山や鉄鉱山も持っていたのだ。
「そこで、です」
「総生産が違っていた」
「それも十五倍も」
「そこまで違いましたね」
「地の豊かさが違いました、そして」
 八条はさらに話した。
「連合とエウロパも然りです」
「連合は惑星をどんどん開発、開拓しています」
「穀倉地帯はそれこそ星の数だけあります」
「資源は惑星、衛星、アステロイド帯から多く手に入れています」
「ブラックホールを吸収してもいます」
 それをエネルギーに変えているのだ。
「災害のエネルギーも吸収していますし」
「それを考えますと」
「連合の総生産はかなりです」
「一人辺りの総生産はエウロパの十五倍です」
「それだけのものがあります」
「しかも人口は四十倍です」
 このことも指摘する者がいた。
「連合は四兆、エウロパは一千億」
「これだけの違いがあります」
「総生産を拡大し人口も増加していく」
「それもまた国防ですね」
「巨大になることこそが最大の国防ですから」
 だからこそというのだ。
「それで、です」
「連合は、ですね」
「エウロパで技術で近付かれても」
「突き放す努力をし」
「発展し続ける」
「総生産を拡大し人口も増やしていくのですね」
「そうなります、そしてお話を戻しますが」
 八条はあらためて話した。
「エウロパの潜水艦はやがて出て来るでしょうが」
「はい、間違いないですね」
「オムダーマンが実用化し我々も開発している」
「それならばですね」
「彼等も、ですね」
「実用化してきますね」
「先程申し上げた通りにです」
 人間の能力は人種等で変わるものではなくまたその発想が似てくるものだからだ、エウロパも潜水艦を持つというのだ。 
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