ドリトル先生と山椒魚
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第八幕その六
「本当に」
「それは何よりですね」
「北海道は産業もよくてね」
「それでワインも美味しいですね」
「それに自然もね」
こちらもというのです。
「素晴らしいよ」
「北海道独特の自然がありますね」
「本土とはまた違ったね」
「そうでしたね」
「生態系は本土と同じ様でも」
それでもというのだ。
「気候と島として離れていてね」
「微妙に違いますね」
「そうだよ、寒いしね」
北海道はというのです。
「そのこともあって」
「本州や四国、九州とはですね」
「また違う自然なんだ」
「そうですよね」
「キタキツネやエゾタヌキ、エゾシカにシマリスにナキウサギ、ヒグマがいて」
そうしてというのです。
「狼もね」
「ニホンオオカミじゃないですね」
「エゾオオカミというんだ」
北海道の狼はというのです。
「絶滅したと言われているけれど」
「まだ棲息していますか」
「目撃例があるから」
だからだというのです。
「僕は期待しているよ」
「ニホンオオカミの様に」
「そうだよ、ただ今研究しているオオサンショウウオはね」
この生きものはといいますと。
「西にいる生きものでね」
「日本のですね」
「東にはいなくて」
「北海道にもですね」
「いないよ」
そうだというのです。
「日本の生きものといってもね」
「日本全体にいるとは限らないですね」
「そうなんだ」
ワインを飲みながらお話します。
「これがね」
「そのことは覚えておくことですね」
「生物学的にね」
「日本にいてもですね」
「それぞれの生きものでね」
「分布があるんですね」
「そうなんだ、だからオオサンショウウオはね」
今学んで何かと関わっている生きものはというのです。
「西日本にいるけれど」
「東にはいない」
「このことを頭に入れておかないとね」
「駄目ですね」
「そうなんだ」
こう言うのでした。
「そのことを覚えておいてね」
「わかりました」
トミーは先生の言葉に頷きました。
「それもまた、ですね」
「生物学でね」
「オオサンショウウオの特徴ですね」
「そうなんだ」
こう言うのでした。
「だからこの兵庫県にも研究センターがあるんだ」
「それで研究されていますね」
「そして東にはそうした施設がないんだ」
「いないならですね」
「研究をしようにも」
そう考えてもというのです。
「肝心の生きものがいないとね」
「生物学だととんでもなく大きな支障が出ますね」
「だからね」
それでというのです。
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