盲目のピューマを救った女性と犬
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第一章
盲目のピューマを救った女性と犬
そのピューマを見てだった。
「あれっ?」
「お気付きですか」
「うん、この子は」
アルゼンチンのブマカワ動物保護区においてだった。
生物学者のリオ=アルベル黒い癖のある髪の毛と黒い目を持つ浅黒い肌のやや小柄な男性である彼はそのピューマを見て保護区のスタッフの一人であるエスタニスラ=モンテ長い黒髪と濃い眉の面長の中年女性アルゼンチンでは珍しいインディオの感じがする彼女に話した。
「どうもね」
「はい、生まれてすぐにです」
モンテはアルベルに答えた。
「目が」
「見えなくなったんだね」
「そうです」
「動きがね」
これがというのだ。
「もうね」
「見えているものではないですね」
「それでわかったよ」
こうモンテに話した。
「僕もね」
「感染症で」
「それは大変だね」
「それで野生では生きていけないので」
盲目ではというのだ。
「こちらに保護されまして」
「そしてだね」
「それからです」
「ここでだね」
「ずっと暮らしています」
「そうなんだね」
「それで飼育担当は私でして」
「貴女がなんだ」
「いい子ですよ、五歳の雄で」
そのカイのことをさらに話した。
「人に何かするなんて」
「しないんだね」
「ピューマは元々大人しいですが」
大型の肉食獣の中ではというのだ。
「その中でもです」
「この子はいい子なんだね」
「はい、それで」
モンテはアルベルにさらに話した。
「安心してです」
「それでだね」
「彼のコーナーにも入れますが」
「ではそうさせてくれるかな」
アルベルはモンテの申し出を受けて彼女に応えた。
「これから」
「はい、実は私の家族も来ていまして」
「家族?」
「呼んできますね」
笑顔で言ってだった。
モンテは一旦何処か似行ってそうしてだった。
一匹の茶色と白の耳の立った中型犬を連れて来た、そのうえでアルベルに話した。
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