ヘタリア大帝国
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TURN50 セーシェル星域にてその七
「数で押し切れば」
「いけるか?」
「そう思いますがどうでしょうか」
「今太平洋軍二手に分かれてるけれどな」
そのことを言うフランスだった。今実際に太平洋軍は二手に分かれている。
「あの一方の軍はどうだ?」
「あの軍ですか」
「あからさまに横から衝こうとしてるよな」
「はい、そうした動きですね」
「あれが気になるんだけれどな」
「あの敵軍は危険ですよ」
セーシェルが危機を確信している顔でモニターに出て来て二人に言ってきた。
「潮流に乗ってこっちに来ます」
「そういえばここに潮流があるよな」
「はい、それに乗って来ますよ」
「だよな。あれが来たらまずいぜ」
「すぐに迎撃の艦隊を向けるべきです」
これがセーシェルの意見だ。この考えは今も変わらない。
「すぐにでも」」
「だよな。けれど司令がな」
「ここの潮流のこと御存知ないですから」
それでビジーもだったのだ。
「今ならまだ間に合います」
「そうするか、今は」
「すぐに来ますから」
「では私も」
兄に続いて妹もだった。彼等はセーシェルと共に潮流の方に向かおうとする。しかしそれを見てだった。
全体の指揮を執るビジーがこう言ってきた。それは懸念する声だった。
「祖国殿、何処に行かれるのですか?」
「何処って決まってるだろ」
フランスはビジーにすぐに返した。
「横から来る敵に向かうんだよ」
「まだ来るには時間がかかりますが」
潮流の存在を知らないビジーはこう答える。
「早過ぎます」
「あの、さっきも言いましたけれど」
そのビジーにセーシェルが言う。
「ここの潮流は凄いですから」
「ははは、そんな極端に強い潮流はないですよ」
ビジーは余裕さえ見せてセーシェルのその言葉に応える。
「戦力はその時に向けますので」
「ですからそれは」
「それならこうしましょう」
ビジーも国家達の言葉は全て断れなかった。それで妥協案を出したのだった。
「ここはです」
「どうするのですか?」
フランス妹が尋ねる。
「一体」
「機雷を撒きましょう」
それで敵の足を止めるというのだ。
「それで防いでおけばいいでしょう」
「そうするのかよ」
「はい、これでどうでしょうか」
フランスに余裕の笑顔で提案する。
「問題ないと思いますが」
「どう思う?」
フランスは共にモニターにいるセーシェルに問うた。
「機雷でいいか?」
「ううん、機雷ですか」
機雷の有効性は言うまでもない。セーシェルもよく知っている。
それで話を聞いて考える顔になりこう答えた。
「とりあえずは」
「いいか」
「はい、足止めになりますから」
それもかなり効果的なだ。
「いいと思います」
「じゃあ機雷を撒いてか」
「元の場所に戻って下さい」
ビジーも言ってきた。
「お三方は予備戦力としていざという時にです」
「前線に来てくれっていうんだな」
「はい、そうして下さい」
ビジーはまたフランスに答える。
「そうして下さるでしょうか」
「わかった。それじゃあな」
こうして機雷が撒かれフランス達は元の場所に戻った。その頃前線ではビームの応酬が行なわれていた。
「撃て!」
「撃て!」
両軍がそれぞれ攻撃を命じている。そしてそのうえで。
ビームの槍が交差する、そのうえでだった。
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