八条学園騒動記
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第六百九十四話 連合から見たエウロパの食事その十
「味もね」
「よくないんだ」
「それで保存技術が未熟で」
「紀元前だと尚更だね」
「もうすぐにね」
それこそというのだ。
「酸っぱくなったそうだよ」
「お酒からお酢出来るからね」
ケイトは冷静に述べた。
「だからお酒はちょっと油断するとね」
「酸っぱくなるね」
「それでお酢になるのよ」
「そう、だからね」
「昔のお酒は酸っぱくて」
「ワインもね」
昔のこの酒はとだ、ベンはケイトに話した。
「酸っぱかったんだ」
「昔は」
「それで色々混ぜてね」
そうしてというのだ。
「お水とかで割って」
「それで飲んでいたのね」
「そうだったんだ、ワインをストレートで飲むなんて」
この時代でも普通のことである、二十一世紀と同じで。
「野蛮と思われていたそうだよ」
「そうだったのね」
「それが作法で」
水等で割って飲むことがというのだ。
「そもそも量が少ないし」
「ストレートで飲むとすぐになくなるわね」
「沢山造ることも出来なかったしね」
「ワインを」
「葡萄も少なくて」
ワインの原材料のそれがというのだ。
「その葡萄をワインにするから」
「ワインも少ないわね」
「農業も未熟だから」
この時代の連合と比べると雲泥の差どころではない。
「葡萄の量もね」
「少なくて」
「必然的にワインも少ないから」
「貴重ね」
「そのワインをストレートで飲んだら」
それこそというのだ。
「あっという間にね」
「なくなるから」
「多分そうしたこともあって」
「割って飲んでいたのね」
「そうだったみたいだよ」
「成程ね」
「それで今に話を戻すと」
ワインのそれをというのだ。
「エウロパのワインはね」
「製造技術も保存技術も悪いから」
「連合のワインよりね」
「まずかったのね」
「もう連合軍の人達が飲んで」
実際にそうしてというのだ。
「そのまずさにね」
「驚いたのね」
「お料理は味がなくて量が少なくて」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「お酒もまずかったのね」
「ワインだけじゃなくてね」
「他のお酒もなの」
「ビールだってね」
こちらの酒もというのだ。
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