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第七十三話 海と木の間でその一

                第七十三話  海と木の間で
 八条学園のそれぞれ合宿に来ている部活の面々は資料館から学校のグラウンド等の見学に入った。それでまずは資料館を出てだった。
 グラウンドに出たがその横の建物を誰もが見た、それは一華も同じでその建物を見てこんなことを言った。
「赤煉瓦のね」
「この建物がいいのよね」 
 かな恵もその建物を見て応えた。
「奇麗で」
「そうなのよね」
「この建物がね」
 赤煉瓦のそれはというのだ。
「海軍の頃からのね」
「海軍兵学校の校舎なのよね」
「ここで海軍士官になる人達が学んで」
「それで士官になったのよね」
 一華も言った。
「そうなのよね」
「それで今はね」
「海上自衛隊の人達がね」
「幹部になる為に頑張ってるのよね」
「あそこでね」
「歴史ある場所ってことね」
「そうなるわね」
 かな恵に建物を見ながら笑顔で話した。
「ここは」
「それで奇麗なのよね」
「風格もあってね」
「いい建物よね」
「赤煉瓦がね」
 これを使っていることがとだ、一華は言った。
「いいセンスしてない?」
「私もそう思うわ、まさに明治の建物よね」
 かな恵それはと応えた。
「文明開化、洋風のね」
「それのよね」
「風情があってね」 
 それでというのだ。
「凄くね」
「明治の頃ってね」
 ここで富美子が言ってきた、五人は今も一緒にいるのだ。
「こうした洋風の建物が建てられて」
「それがいいのよね」
「洋館とかね」
「奇麗でね」
「恰好もよくて」
「絵になるのよね」
 洋館やそういったものがとだ、一華も言った。
「この兵学校からの校舎も」
「周りのお花も奇麗だし」
「本当に絵になるわね」
「何処までもね」
「日差しも浴びて」
 理虹は夏のそれを自分も浴びながら思った。
「それで眩しい位よ」
「あっ、日光にも映えるわね」
 一華もそれはと応えた。
「言われてみれば」
「そうよね」
「まさに海軍というか」
「海も傍にあるし」
「絵になるわね」
「この建物ってね」
「この建物設計した人センスあるわよ」
 留奈も赤煉瓦の校舎を観つつ笑顔で話した。
「こんな絵になるもの設計したから」100
「そうよね」
「何かここって全部綺麗だけれどね」
「あそことかね」 
 一華はここで自分達から見て右手に顔を向けた、そこには白亜の神殿を思わせる見事な建物がある。
「講堂らしいけれど」
「滅茶苦茶奇麗よね」
「神殿みたいよ」 
 一華自身こう言った。 
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