| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十四話 牛丼を食べてその三

「透けるわね」
「そうなるから」
「それは私も注意してね」
 それでというのだ。
「ちゃんとね」
「白にしたのね」
「ええ、ただラインはね」
 下着のそれはというと。
「もう覚悟してるわ」
「それは見えないけれど」
「いや、ブラとかショーツのそれってね」
「透けるっていうのね」
「夏はね」
 着ている服の生地が薄く、というのだ。
「もうそれもね」
「覚悟してるのね」
「そうなの」
 まさにと言うのだった。
「そこはね」
「そうなのね」
「いや、当然見せる趣味はないわよ」
「下着のラインは」
「下着自体も嫌だし」
 それにというのだ。
「ラインだってね」
「出来る限りなの」
「半分見えてるのと一緒でしょ」 
 ラインが透ければというのだ。
「そう思うからね」
「それでなのね」
「ラインが見えることはね」
「嫌なのね」
「だから出来る限りラインの透けない服を選んだつもりだし」
「そうだったの」
「デニミもそうだし」
 スカートもというのだ。
「ブラウスもね」
「そんな生地なのね」
「ええ、けれどそれでも見えたら」
 ラインが透けてというのだ。
「もう仕方ないわ、半分見えてるのと同じでも」
「半分は見えてない?」
「そうでもあるし」
 それでというのだ。
「自分で自分をね」
「納得させるの」
「ええ」 
 そうだというのだ。
「もうね」
「そうするのね」
「強引にね」
「そこまでして着るの」
「ええ、けれど見えてないわよね」
 愛は咲に確認を取った。
「別に」
「ええ、見えてないわ」
 咲は愛を上から下までまじまじと見てから答えた。
「後ろもね」
「ブラとかショーツのラインも」
「ええ、そうした服ってことね」
「デニムだとあまり透けないのね」
「生地的に」
「けれど透ける時はね」
 愛はそれこそと話した。
「やっぱりね」
「透けるのね」
「そうなるから」
「私にチェック頼んだの」
「そうなの、けれど見えていないならいいわ」 
 愛はにこりと笑って答えた。
「それじゃあ今からね」
「うん、牛丼食べに行こう」
「そうしましょう」
 従姉妹同士で笑顔で話してだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧