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X ーthe another storyー

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第十二話 風使その十五

「そうしてくるわ」
「僕もです」 
 哪吒も言ってきた。
「そうしてきます」
「僕もお仕事に行きます」
 遊人も言ってきた。
「今日も頑張ってきます」
「私もよ、今日も忙しくなるわね」
「都知事さんの秘書さんとして」
「頼りにされているから」
 牛乳を飲みながら笑顔で話した。
「だからね」
「頑張ってこられますね」
「ええ、ただ私のお仕事は定時よ」 
 こうも言うのだった。
「間違ってもね」
「時間外労働はですか」
「しないわ、定時にはじめて」
 そしてというのだ。
「定時にね」
「終わりますか」
「それが私のやり方よ」
 仕事のそれだとだ、遊人に話した。
「ずっとそうしてきたわ」
「定時ですか」
「そうよ、決まった時間の中でね」
 その勤務時間のというのだ。
「全部やるのよ」
「秘書のお仕事を」
「そうしているのよ」
「そうですか」
「ええ、そしてこちらに帰って」
「後はプライベートですね」
「その時間を楽しむわ」
 そうするというのだ。
「いつも通りね」
「庚さんのポリシーですね」
「そうよ、しかし最近知事さんもね」
 自分の上司の話もした。
「お忙しくてね」
「あのお仕事はどうしてもそうなりますね」
「お疲れだから」
 それでというのだ。
「疲れが癒えるお食事をね」
「お考えですか」
「そうなのよ」
「では何を用意されますか」
「チーズや牛乳それにお野菜と」
 そうしたものにというのだ。
「牛肉ね、知事さんハンバーグがお好きだから」
「ではチーズを乗せて」
 ハンバーグにとだ、遊人は笑って応えた。
「そうされますね」
「ええ、それでサラダの量を増やしてシチューもお好きだから」
「シチューにもお野菜を沢山ですね」
「そして牛乳をお出しして」
 飲みものはというのだ。
「暫くそうした風にして」
「疲れを癒してもらいますか」
「そうしてもらうわ」
 こう話してだった。
 地の龍の者達は朝を過ごした、そして食事の後でそれぞれの日常に赴くのだった。


第十二話   完


                   2023・1・15 
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