X ーthe another storyー
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第十二話 風使その七
「お昼の前にです」
「お弁当をなのね」
「空汰さんと同じで」
それでというのだ。
「二時間目が終わりますと」
「食べているのね」
「はい、宿舎で作ってもらったものを持って行って」
そのうえでというのだ。
「二時間目が終わるとお腹が空くので」
「食べて」
「そして今もです」
昼もというのだ。
「いただいています」
「そうなのね、私は朝しっかり食べて」
嵐は自分の話もした。
「お昼もね」
「召し上がって」
「おやつを食べて」
そしてというのだ。
「夜をね」
「食べますか」
「そうしているわ」
「わいもおやつ食べるで」
空汰は笑って話した。
「しっかりな」
「僕もです、何か僕達よく食べますね」
玳透は思わず苦笑いになって述べた。
「どうも」
「そやな、確かに」
空汰も笑って応えた。
「言われたらな」
「そうですよね」
「十代はどうしてもや」
「よく食べますね」
「そういうこっちゃ、それに食べんとな」
空汰は不敵な笑みになってこうも言った。
「やるべきこともや」
「出来ないですね」
「そやさかいな」
「しっかりと食べることですね」
「ああ、食っていこうな」
「わかりました」
玳透も頷いた、そうしてだった。
三人で昼はしっかり食べた、午後の授業を終えると三人も護刃も宿舎に戻った。だが玳透は宿舎に戻るとだ。
すぐに袴と着物に着替えて修行に励むが。
その後で丁の前に来るとだ、その丁に言われた。
「今日もですね」
「修行をしていました」
丁の前に来て畏まって答えた。
「朝も夕方も」
「わらわを護る為に」
「はい、そして」
それにと言うのだった。
「その為にです」
「修行に励まれて」
「強くなっています」
「わかりました、ですが」
「ですが?」
「くれぐれもです」
丁はいつもの目を閉じ深く思慮する様な顔で述べた。
「ご自身のことはです」
「僕のですか」
「お気をつけて下さい」
「そうしないといけないですか」
「はい、わらわを護ってくれることは嬉しいですが」
それでもというのだ。
「ご自重を」
「それよりもです」
玳透は丁に一本気な調子で答えた、傍に蒼氷と緋炎を控えさせた丁の前に畏まったままそうしていた。
「僕は丁様の為に。征一狼さんと共に」
「戦われますか」
「その時は」
「そうなのですね、ですがくれぐれも地の龍とはです」
「戦わないことですか」
「龍と戦えるのは龍だけです」
あくまでというのだ。
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