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イベリス

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第九十三話 お弁当を食べてからその十三

「どうしようもない人だったからね」
「ううん、ああした人達って平日のお昼からね」
「デモしてるでしょ」
「お仕事何してるのかしら」
「わからないわね」
「沖縄の基地の前でもね」 
 そこでもというのだ。
「普通にいるけれど」
「あの人達も不思議でしょ」
「どうして生活してるかって」
「基地の前でテント張ってよ」
「暮らしているの」
「そうしてるのよ」
 沖縄の基地の前の活動家達はというのだ。
「お金は何処から出てるのか」
「わからないのね」
「生活費とかはね」
「ううん、お金の出所がわからないって」
「胡散臭いでしょ」
「ええ」
 咲もそれはと答えた。
「そうした人はね」
「本当にね」
「お金の出所ね」
「それを見てね」
 そうしてというのだ。
「確かめることもね」
「大事なのね」
「人はね、お金の出所が怪しい人は」
 それこそというのだ。
「それだけでね」
「胡散臭いのね」
「詐欺師だったりするしね」
「犯罪者ね」
「そうだったりするから」
 娘に強い声で話した。
「そうしたところもね」
「観ないと駄目なのね」
「それでああした人達はね」
 沖縄の基地の前にいる様な輩共もというのだ。
「どうして生活しているか」
「あそこにずっといてもね」
「お仕事してないならね」
「絶対にどっかからお金出てるわね」
「そのお金の元が誰か」
「そう考えたら」
「凄く怪しいでしょ」
 娘に強い声で言った。
「本当に」
「ええ、確かにね」
 咲も考える顔で頷いた。
「それは」
「だからお母さんはね」
「ああした人達信用しないの」
「そうよ、大学時代にそうした人と会って」
「ああした人達も見て」
「それでなのよ」
「お父さんもなのね、やっぱりあれね」
 ここで咲はこう言った。
「真面目に働く人が一番ね」
「お父さんもそうでしょ」
「そうよね」
 母のその言葉に頷いた。
「言われてみれば」
「人間やっぱりね」
「真面目に働く人が一番ね」
「それで暴力振るわないで浮気も変にギャンブルもしないなら」
 それならというのだ。 
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