| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十三部第四章 戦線崩壊その十九

「今がそうだ」
「待つべきですね」
「あえて動かず」
「そうすべきですね」
「そうだ、通常艦艇で動こうとする艦があれば撃て」
 容赦なく、そうした言葉だった。
「事前に警告をしてな」
「そして乗員もですね
「勝手な行動は許さない」
「迂闊な攻撃は」
「それは、ですね」
「断じてな、動かさずだ」
 そしてというのだ。
「時を待つことだ、だが」
「だが?」
「だがといいますと」
「その時は近い」
 動きそして攻撃する時はというのだ。
「まさにな、だからな」
「今少しだけですか」
「少しだけ待てばいいですか」
「それだけですか」
「そうだ、その少しも待てない様な軍を私は持っていない」
 笑っていない、だが。
 それでもだ、アッディーンは確かな声で述べた。そうしてそのうえで彼は全軍に対して強い声で告げた。
「精鋭は待つことも出来るな」
「はい、それでは」
「今は」
「待つことだ」
 こう言ってだ、アッディーンは戦局を見ていた。戦局は文字通り刻一刻と進んでいた。それが止まることはなかった。
 そしてだった、十分程して。
 アッディーンは戦局を見て言った。
「通常艦艇もだ」
「はい、これよりですね」
「移動を開始して」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「攻撃開始だ」
 まさにというのだ。
「敵の防衛施設と基地、そして敵艦隊に対してな」
「わかりました」
「ではこれよりです」
「全軍で向かいましょう」
「これより」
「そしてだ」
 ここでだ、また言うのだった。
「敵軍を破る」
「遂にこの時が来ましたね」
「いよいよですね」
「通常艦艇を動かして」
「総攻撃に移りますね」
「そうしますね」
 軍司令達がモニターに出て来た、そうしてアッディーンに口々に言ってきた。そうして言うのだった。
「ではですね」
「ここで全軍攻撃に移りますね」
「そうしてそのうえで」
「前進しつつ攻撃を仕掛けますね」
「その様にしますね」
「そうする、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「この戦争の趨勢も掴むぞ」
「そうですね、ではです」
「ここは一兵も油断なく動かし」
「そうしてですね」
「戦いに勝ちますね」
「そうしますね」
「そうする、だが」
 ここでだ、アッディーンはまた言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧