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仮面ライダー龍騎 夢に向かえ

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第十六章

「それに傷ついた人達を助けたい。だから」
「戦うのか」
「ああ、仮面ライダーになるんならな」
 彼は今自分の考えをはっきりと言い切った。
「その力で」
「わかった。じゃあ俺は」
 次に秋山も言った。
「傷ついた人達を守る為に。戦う」
「よし、じゃあ」
「ああ」
 二人は同時に変身に入った。まずは同時に左手で前にカードを突き出す。
 それから城戸は右手を左斜め上に突き出す。左手は脇の下に入れていた。
 秋山は身体を左に捻って右手を拳にして肩の高さでガッツポーズに似た動きを示す。それから二人は同時にこう叫んだのであった。
「変身!」
「変身!」
 光に包まれて変身した。城戸は赤いライダー龍騎に、秋山は青いライダーナイトにそれぞれ変身したのであった。
「っしゃあ、これが仮面ライダーだな」
「はい」
 青年が城戸に答える。
「さあ、今こそ人を助けに」
「おう」
 城戸はすぐに銃を手に戦いに向かう。だが秋山はまだ青年の側にいた。
「どうしました?」
「いや」
 彼は青年に対して問うてきた。
「気になることがある」
「それは一体」
「貴方は一体何者だ?」
 そう青年に問うのであった。
「人ではないが」
「貴方達を見守る者です」
「俺達を」
「そうです。人間の戦士よ」
 そう秋山に語り掛ける。この上なく優しい声で。
「今こそ貴方達の真の戦いへ」
「真の戦いか」
「そうです」
 青年はまた答える。
「今こそ」
「かなり深い訳がありそうだな」
 鋭い秋山にはそれがわかった。彼は青年を見据えたまま言う。
「だがそれがわかるのはまだ先か」
「はい。申し訳ありませんが」
「まあいい。だが今は」
 彼もまたモンスター達に顔を向けた。既にそこではクウガと龍騎が戦っている。
「俺も戦う。ライダーとして」
 そして剣を手に敵を倒していく。そのまま右に左に奈義払っていく。
 何時しか敵は三体になっていた。だがそれでも戦意を衰えさせずライダー達に対峙していた。
「まだ戦うっていうのか」
 城戸はそれを見て言った。
「何でしぶとい奴等だ」
「なら」
 クウガはそれを見てすぐに態勢を整えてきた。
「こちらも」
「蓮!」
 それを見て城戸も無意識のうちに秋山に顔を向けていた。そしてその無意識のままで彼に対して言う。
「俺達も」
「わかった」
 秋山もまた無意識のうちに答える。まるですべてがわかっているかのように。
「ファイナルベイントだ!」
「よし!」
 カードを取り出してそれを変身の時と同じく腰のベルトに入れる。すると赤い龍と巨大な蝙蝠が突如として姿を現わした。
 城戸はその赤い龍を従えて空高く跳ぶ。そこから龍の吐く炎と共に急降下して蹴りを放った。
「てやーーーーーーーーっ!」
 後ろから炎のフォローも受け攻撃を浴びせる。それでモンスターを一撃で粉砕した。
 着地すると後ろでモンスターが爆発していた。彼はまたしても無意識のうちに攻撃を放っていたのであった。
 続いてナイトであった。背中にあの蝙蝠がつく。
 
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