やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか
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パラディ島編 第11話 トロスト区襲撃①
ハチマン「ん・・・。」
ハチマン「朝か・・・。」
ベットから時計を見てみると、6時だった。
そういや、今日は自主鍛錬が休みだったな・・・。
・・・ヒョウは起きているかねぇ・・・。
そう思い、ヒョウが寝ているベットを見てみると、
ヒョウ「」スヤァ・・・
見事にまだまだ寝ていた。
・・・そりゃそうか。鍛錬ないし、いつもよりぐっすり寝れるもんな。
そんなことを考えつつ、二度寝しようとすると、
ヒョウ「ムニャムニャ・・・嗚呼、選び悔いた道の先はどんな景色ばしょに繋がっている?」
ハチマン「!?」
うおっ、びっくりしたぁ・・・。いきなり、歌いだすとは・・・。
しかも寝ながら。
・・・にしても、さっきの曲は何の曲だ?
リズムが良かったし、この世界にこんな曲無いから、
日本の曲なんだろうが・・・。
聞いたことないな・・・。
まぁ、いいか。
そう思い、一度頭から疑問を切り離し、今までの疲れを癒すべく、
俺はもう一度深い眠りに付いた。
---
ヒョウ「おい、朝だぞ。」
ハチマン「・・・ぁ?」
ヒョウ「起きろ。」
ハチマン「・・・ぁ、ぁぁ。」
ん、んんっ、・・・はぁ~。
大分疲れが取れたな・・・。
ヒョウ「疲れは取れたか?」
ハチマン「ああ。もう、ほとんど残ってない。」
ヒョウ「フッ、そうか。良かったな。」
そういう、ヒョウの顔は、少し寂しそうにも、悔やんでいそうにも見えた。
ヒョウ「さっさと向かおう。腹が減った。」
ハチマン「・・・!あぁ。」
---
食堂に着くと、エレンたちが声を掛けてきた。
エレン「!遅いぞ、2人とも!早く食おうぜ!」
ハチマン「なら、なんで起こさなかったんだよ・・・。」
エレン「お前らがあまりにもぐっすり寝てたから、
起こすのに気が引けたんだよ。」
ヒョウ「・・・そんなぐっすりだったか?」
アルミン「うん。ハチマンは、声掛けても全然起きなかったし、
ヒョウは、何か寝言で歌っていたし。
寝不足なんじゃないかと思って、そっとしておいたんだ。」
ヒョウ「・・・どんな風に歌っていたんだ?」
アルミン「うーん。たしか、『隠された真実は衝撃の嚆矢だ。』とか。
何か良く分からない言葉で歌っていたり、
鼻歌を歌っていたりしていたよ。」
ヒョウ「・・・そうか。」
エレン「!と、とりあえず飯食おうぜ!もう腹ペコなんだ。」
ハチマン「!あ、あぁ。そうだな・・・。」
何かヒョウが、暗い顔をしたことに気付いたのか、
エレンが話を変えてくれた。
・・・分かるぞ。絶対に黒歴史になったな。
ハチ、ヒョウ「「いただきます。」」
エレン「うめぇ。」
ヒョウ「ジャガイモスープか・・・。クリームシチューが食いたい。」
ハチマン「ああ。確かになぁ・・・。」
アルミン「?クリームシチュー?」
ヒョウ「これよりも味の濃い、肉とかジャガイモが
ごろごろ入ったスープだよ。」
アルミン「へぇ~。結構高級なスープなんだね。」
スープに高級なんてあるかねぇ・・・。
ハチマン「まぁ、また今度作ろうぜ。
牛乳が手に入るかどうかわかんねぇけど。」
ヒョウ「そうだな。ヤギとか牛っているのかわかんねぇけど。」
アルミン「あはは・・・。」
---
時間は飛んで、今俺たちは門の前の大通りに来ている。
なぜなら、
住民1「エルヴィン団長だぁあああ!」
住民2「エルヴィン団長!!巨人どもを蹴散らしてくださいっ!」
エレン「見ろ!!リヴァイ兵士長だッ!
1人で一個旅団並みの戦力があるってよぉー!」
街を横切る騎兵たち。
百単位の兵士達が列を作りながらトロスト区の大通りを進んでいる。
街の住民たちからは、兵馬に乗る調査兵団の彼らを一目見ようと道に駆けつけ、
声援のような声をかけては期待の表情が見受けられる。
・・・勝手だな。
調査兵団の背中に自由の翼の紋章、深緑色のマントを着た兵士たちが
俺たちの前を通り過ぎる。
先頭にエルヴィン団長。その後ろに幹部たちが続き、目つきが悪い小柄な男が通る。
その瞬間大地を揺らすような声援が鳴り響く。
住民3「リヴァイ兵士長!!!!!!」
エレンの言うとおり、一個旅団並みの戦力があると噂されるリヴァイ兵士長だ。
首元にスカーフのようなモノを巻き、住民たちの声に顔を歪めていた。
彼らは終始落ち着いた態度で住民の中を通り過ぎ壁の向こう側に消えていった。
自由を求めて、ヤツラに奪われた土地を奪還すべく、
今日もウォール・マリア内をかけ走るのだろう。
---
あの後、俺たちはいつもの班の班員を集め、固定砲の整備をしていた。
クリスタ「あっ、ハチマン!所属兵科はどうするか決めたの?」
ハチマン「ん?あぁ、俺は元々調査兵団に行くつもりだったが。」
クリスタ「えっ!?じ、じゃあ、わ、私も!」
ハチマン「へ?いや、お前は憲兵団だろ。上位10名に入ったんだから。」
クリスタ「やだ!私も調査兵団に入る!」
ハチマン「いやいや、せっかく上位10名になったんだから憲兵団に入れよ。」
クリスタ「むり!絶対調査兵団に入るもん!」
ハチマン「はぁ~。・・・なんで調査兵団に入ろうとしているんだ?」
クリスタ「えっ!?そ、それはぁ・・・。」
ハチマン「ハァ。理由が言えないのなら、入ることに賛成できないぞ。」
クリスタ「うぅ~。」
ヒョウ「ハチマン、クリスタ。喋ってばかりいないで、ちゃんと整備しろよ?」
2人「「ん、ああ。(は~い。)」
ヒョウにそういわれ、整備を始めようとすると、
シャァァァァー
壁の外側から立体機動装置のワイヤーを巻く音が聞こえてきた。
ハチマン「・・・?」
不審に思い、壁側を見ると、1人の兵士が壁に沿うように並走するように
立体機動で低空飛行していた。
髪が短いため、男であろう。
その男の背中には、2つの剣が交差する紋章。つまり男は訓練兵だという事。
壁から落ちて立体機動を使っているのなら分かるが、
男はずっと低空飛行を続けている。
つまり、落下したわけではなく、何処かに移動しているという事。
その男が何処に移動していくのか見ていると、
ハチマン「!」
壁の方に向かっていた。
ハチマン「チッ!ヒョウ!誰かが壁の方に向かっている!
壁が壊されるかも知れねぇ!俺はそいつを追いかける!
後は頼んだ!」プシュゥー
俺は、ヒョウに同じ班のやつらの指揮と住民の避難を頼み、その男を追いかける。
ヒョウ「!分かった。総員!立体機動に移り、住民に避難行動を取らせろ!」
アリス「!ちょ、ちょっと!何言ってるのよ!勝手に立体機動装置を
使うのは、法律違反でしょう!?」
ヒョウ「事態は一刻を争う!責任は俺が取る!とりあえず指示に従え!」
アリス「っ!もう!分かったわよ!」
ヒョウはそう言い、班員に指示を出し、行動に移す。
---
ハチマンside
俺は、ガスを吹かし、訓練兵の男を追いかけた。
ハチマン(ちっ!もし予想が当たってたら、最悪なことになる。
元々距離があったから追いつけねぇし・・・。・・・!)
門の近くに来た時、視界を埋め尽くすオレンジ色の閃光が放たれたかと思うと
赤いなにかが俺の眼前に飛び込んできた。
ハチマン「・・・!ち、超大型巨人・・・!」
さっき視界に飛び込んできた赤い何かは、超大型巨人の筋肉部分だった。
ハチマン(チッ!やっぱり、予想はあっていたか・・・。)
座学で巨人について学んだ時、ヒョウと普通の巨人、超大型、鎧の謎について
話し合った際にヒョウが、
ヒョウ「急に現れ、急に消える。しかも、死体もなく。
・・・何かが巨人になった・・・?」
と予想を立て、その予想を元にさらに予想を立てていくと、巨人の謎の一部の
理由が説明付き、その予想の中で尤も信憑性の高かったのが、
巨人は、何らかの要因で人間が姿を変えたもの。知性は持たないが、
鎧や超大型等の一部例外がいる。と、言うもの。
・・・今、この仮説が一番有力だ。
そして、超大型巨人が今、目の前に現れたのを見て、確信した。
巨人は、人間だ。
俺たちは、人を殺す訓練を今までしてきたってことになる。
そんなことを考えていたからか、轟音を鳴らし、壁は破壊された。
壁の中の人間に惹かれたのか、多くの巨人がこちらに向かってくる。
・・・これから、俺たちは巨人、いや人間を殺す。
俺に人を殺せる度胸があるかって聞かれたら、そりゃ、
はい。
って答えるしかねぇよなぁ?
なんせ、もう殺しているから。それに、相手も殺そうとしてくるんだ。
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ。」
その言葉のとうり、こっちは殺す覚悟を持ってるし、殺される覚悟も持ってる。
だから、
ハチマン「・・・いいだろう。」
ハチマン「相手してやる・・・。」
俺は、俺と俺の仲間を殺そうとする巨人にんげんを殺す。
---
ヒョウside
ヒョウ「先に門前付近の方に向かうぞ!」
4人「「「「うん。(((ああ。))ええ。)」」」」
シュゥゥゥゥー
俺たちが立体機動で門の方に向かっていると、
ピカッ!
いきなり雷が落ちたかのような轟音と光が視界を覆った。
ヒョウ(!まさか、鎧か超大型が・・・!)
そして、またもや轟音が鳴り響き、外門が破壊された。
ヒョウ「!グッ!全員!戦闘準備!刃を抜き、住民の避難を援護せよ!」
4人「「「「了解!」」」」
ヒョウ「クリスタ。門から巨人が入ってくる。
阻止するために手伝ってくれ。」
クリスタ「?う、うん。」
俺は、クリスタにそう言い、門の方に立体機動で向かった。
クリスタ「どうするの?」
ヒョウ「1つ、作戦がある。
作戦としては巨人が入ってきたら、壁の上から強襲して、項を削ぐこと。
作戦と呼べるかどうかは分からないが。
クリスタには、壁の上のほうで待機して、もし、俺が巨人に
食われそうになったら助けてほしい。
ガスが帰るだけの分まで減ったら、撤退する。いいな。」
クリスタ「うん。分かった。」
ヒョウ「んじゃ、今も巨人が入り続けているし、殺るか。」
---
ハチマンside
ハチマン「ッ!っらぁっ!」ザンッ!
俺は今、壁の方に向かってくる巨人と戦っている。
既に7体くらいは倒したが、5,6体ほどは数が多すぎて殺せなかった。
そんなことを考えながら、俺は、回転しながら刃で項を削いでいく。
さらに2体ほど殺すと、背後からいきなり気配がした。
後ろをチラッと確認すると、こちらに巨人が手を伸ばしてきていた。
俺は、空間移動で巨人の項部分に移動することで回避し、刃で削いだ。
ハチマン「これで、10体か・・・。ガスは・・・、2/3か・・・。
使いすぎたな・・・。」
まだ戦えるが、帰りの分も残しておかなければならない。
ハチマン「・・・1/3をきるまで戦うか・・・。」
そう考え、俺はこちらに向かってくる数え切れないほどの巨人と対峙する。
---
しばらくすると、先遣班が来た。
駐屯兵1「・・・?あれは・・・、誰だ?」
駐屯兵2「・・・!?班長!ど、どうやら訓練兵のようです!」
駐屯兵1「!?なんだと!?」
駐屯兵1は驚いた。
他の兵士が聞いたとしても驚くだろう。
卒業したての訓練兵が既に15体ほど巨人を屠っているのだから。
駐屯兵1「・・・、・・・!全員!あの訓練兵の援護に行くぞ!」
駐屯兵たち「「「「はっ!」」」」
ハチマン「ゼェゼェ、っらっ!」ザシュッ!
ハチマン「はぁ、はぁ。これで、25体目か・・・。」ゼェゼェ
ちっ、先遣班はまだか・・・?
駐屯兵1「そこの訓練兵!無事か?」
ハチマン「!ぜぇ、はい。先遣班の方ですか?」ゼェゼェ
駐屯兵1「ああ。先遣班の班長をやっている者だ。」
ハチマン「なら、後を、任せても、いいですかね。もうガスと刃が、
ほとんど、残っていないんですよ。」ゼェゼェ
駐屯兵1「分かった。後は任せておけ。」
ハチマン「頼みます。」パシュッ
シュゥゥー
駐屯兵1「全員!あの訓練兵に負けず、できるだけ時間を稼ぐぞ!」
駐屯兵たち「「「「はっ!」」」」
ハチマン(刃は今付けているのが最後、ガスは・・・、
15%も残っていないか・・・。)
シュゥゥー
現在の状況を考えつつ、壁の中に入りトロスト区本部に向かう。
ヒョウ「!ハチマン!」
クリスタ「!!ハチマン!!無事だったの?良かった!」
ハチマン「!ヒョウ、クリスタ!なんでここにいる?」
ヒョウ「お前に任されたからな。班員全員に指示して、住民の避難をさせた。
今のところ、あまり被害は出ていなさそうだ。」
ハチマン「いい加減、トロスト区本部に向かったほうがよさそうだぞ?」
ヒョウ「そうだな。クリスタ!ガスはどれくらい残っている?」
クリスタ「うーんと・・・、だいたい半分くらい?」
ヒョウ「俺は1/3くらいだ。ハチマンは?」
ハチマン「・・・15%くらいだ。」
ヒョウ「!そうか・・・。クリスタ。ハチマンとガスを交換してくれ。
ハチマンはガスを交換した後クリスタを担いでくれ。
そして、全員でトロスト区本部に向かう。」
ハチマン「へ?」
クリスタ「ふぇ?」
ヒョウ「いやだから、ハチマン「言っていることは分かる。だが、
俺じゃなくてもいいだろ。」
ハチマン「それにクリスタも嫌だろうし。」
クリスタ「えっ?べ、別に嫌じゃ・・・ないよ?」
ハチマン「へ?いやいや、俺なんかに担がれるのは嫌だろ。」
クリスタ「だから、嫌じゃないって!そ、それとも、
ハチマンは私を担ぐのいや?」
ハチマン「い、いや、そう訳じゃなくてヒョウ「ハチマン。」
ヒョウ「・・・ここ、戦場だから。イチャイチャするのは後にしてくれ。」
ハチマン「イチャイチャしてねぇよ・・・。」
クリスタ「ハ、ハチマンとイチャイチャ・・・。」
ヒョウ「ハァ~、とにかく、ハチマン。クリスタを助けたいなら、
そうするしかない。」
ハチマン「・・・分かった・・・。」
ヒョウにそういい、俺はクリスタをお姫様抱っこする。
クリスタ「へ?」
ハチマン「摑まってろよ。落ちるかもしれないからな。」
ヒョウ「援護はするから安心しろ。」
クリスタ「え?」
ハチマン「いくぞ。」パシュッ
ヒョウ「」パシュッ
シュゥゥー
クリスタ「えぇぇぇぇー!?」
クリスタ(お、お姫様抱っこ!?ハチマンが!?嘘でしょ!?
・・・あ、ハチマンの匂い。・・・本当にお姫様抱っこされてるんだ。
ハチマンに。んふふ~。)
ハチマン(軽いな・・・。結構鍛えたと思うんだが・・・。)
---
そのころ、トロスト区本部では・・・。
3人称(?)視点
キッツ「悔やまれることに最も実戦経験の豊富な調査兵団は壁外調査のため
出払っている。
現在我々駐屯兵団のみのよって・・・、壁の修復と迎撃の準備が
進行している!
お前たち訓練兵も卒業演習を合格した立派な兵士だ!
今回の作戦でも活躍を期待する!」
跪き絶望するもの、想い人と抱き合い死期を悟るもの等、
さまざまな行動を取るものがいる。
その中で、ほとんどの際、冷静でいる少女。ミカサは、珍しく焦った表情で
何かを探すようにキョロキョロしていた。
エレン「だいじょうぶか?アルミン。」
そんな彼女の耳に、聞きなれた声がする。そちらを見ると、エレンと
アルミンがガスボンベにガスを注入していた。
アルミン「だ、大丈夫だっ!こ、こんなの、すぐに治まる!しかし不味いぞ。
現状ではまだ、縦8メートルもの穴をすぐに塞ぐ技術は無い・・・。
前門付近にあるあの大岩だって結局
掘り返すことさえできなかった・・・。
穴を塞げない時点で・・・、この街は放棄される・・・。
ウォール・ローゼが突破されるのも・・・、時間の問題だっ!
そもそもヤツらはその気になれば、人類なんていつでも
滅ぼすことができるんだッ!」
そんな焦った声で話すアルミンの耳に自身の親友の一人の声が響く。
エレン「アルミンッ! 落ち着け・・・。あの時とは違う・・・。人類はもう、
巨人なんかに負けない!!」
アルミン「!・・・ごめん・・・。大丈夫だ・・・。」
アルミンの表情には、不安と恐怖の色が浮かんでいる。
ミカサには、そんな表情をするアルミンになんと声を掛けていいのか
分からなかった。
先遣班が決死の覚悟で巨人と戦っている頃、104期訓練兵たちは、戦闘の準備を
終え、本部に集い命令を受けていた。
キッツ「それでは訓練通りに各班ごと通路に別れ駐屯兵団の指揮の下、
補給支援・情報伝達・巨人の掃討等を行ってもらう!
前衛部を駐屯兵団の迎撃班、中衛部を我々率いる訓練兵団が
後衛部を駐屯兵団の精鋭班がそれそれ受け持つ!
それに伝令によるとすでに先遣班は既に全滅したとのことだ!」
先遣班とは駐屯兵団の中でも上位に位置する実力者たち。
その上に今回、後衛を任されている精鋭部隊が存在するが、その精鋭部隊にも
引けを取らない兵士たちが既に全滅したと聞き訓練兵の顔が一気に険しくなる。
キッツ「外門が突破され巨人の侵入を許した! つまり、いつまた鎧の巨人が現れ、
内門が壊されてもおかしくない状況にある!!」
訓練兵1「・・・そんなっ!」
訓練兵2「嘘だろ・・・?」
訓練兵3「ローゼまで破られることになったら・・・。」
キッツの言葉で、恐怖と不安が伝染していく。
キッツ「静粛に!!現在は前衛で迎撃中だ。本防衛の作戦は一つ!住民の避難が
完了するまで、ウォール・ローゼを死守することである!
なお承知しているであろうが敵前逃亡は死罪に値する。
みな心して命を捧げよ!解散!」
兵士たち「「「「はっ!」」」」
声と同時に兵士たちは素早く持ち場に移る。止まっている暇などない。
彼らは戦場へと赴くのだった。
---
ジャン「クッソ!なんでだよ・・・。なんで今なんだ・・・。
まだ、まったく経験を詰めてねぇって言うのに・・・。」
つい昨日、調査兵団への志望を決めたジャンには、まだ不安が残っており、
調査兵団に入った後、先輩方との訓練や実戦で経験をつもうと考えていた。
それを考え付いたのは昨日。1日でいきなりプランを潰されたジャンは
怒るように地面を蹴る。
ダズ「ぅぉぉおぅぉっ・・・、はぁはぁ。」
あまりの出来事に汚物を吐きだすものもいる。とろみを帯びたそれは
色は違えど鮮血のように身体の中から放出される。
ジャンの前に四つん這いになるダズを見ながら脂汗を垂らす。
訓練兵1「いやだいやだいやだ・・・」
訓練兵2「もうおわりだ・・・。」
ダズだけでなく、他の兵士らも絶望した沈んだ表情で膝を抱えて座り込んでいる。
ジャンは、それらを怒りを覚える。
ジャン「おい、ダズ!ぼさっとしてんじゃねぇ!今戦わなくて、何時戦う!
家族を守りてぇんなら、根性見せろ!」
ダズ「!ぅっ、・・・ぁぁ。」
入団式の夜の説教のおかげで、どうやら彼は、人間として成長できたようである。
エレン「アルミン!早く配置につくぞ!」
アルミン「う、うん!」
不安そうな表情をするアルミンに渇を入れるエレン。
終始何かそわそわしているミカサ。
そんな3人のもとに、彼らを不安にさせる情報を持ってきたものがいた。
アニ「ねぇ、あんたら。ハチマンを見なかった?」
ミカサと同じくらいそわそわしているアニ。不安そうだ。
エレン「?見てないが・・・。同じ固定砲整備13班のやつらに聞いてみたのか?」
アニ「!まだだった。聞いてみるよ。」
ミカサ「まって。ハチマンがいないの?」
アニ「ああ。だから、13班の班員に聞きに行くんだよ。」
アニはそういい、すぐにでも聞きに行こうとする。
すると、
ユミル「おい!クリスタはどこにいるか知らないか?」
ミカサ「!確か、クリスタはハチマンと同じ13班だった筈・・・。」
ユミル「!ホントか!?で、そのハチマンの野郎は?」
アニ「いないんだよ。だから、13班のやつらに聞きに行こうとしてるわけ。」
ユミル「なら、さっさと聞きに行くぞ。」
その言葉を合図に、5人は13班の班員に聞きに行く。
なお、全員、ヒョウの存在は忘れているようである。
13班の班員であるアリスたちは、意外に近くで準備していた。
そんな3人に、5人はハチマンの行方について聞く。
アニ「ねぇ、ハチマンを知らない?同じ班でしょ?」
アリス「!え?まだ帰ってきてないの?」
ミカサ「その様子だと知っている様子。ハチマンは?」
アリス「ハチマンは、固定砲整備をしている時、いきなり立体機動で門の方に
向かって飛んでいったわ。
班長のヒョウは、クリスタ以外に住民の避難をしろって命令して、
クリスタは、ヒョウと一緒に立体機動で門の方に向かったわ。
その後は、知らない。」
ミカサ「・・・はちまんは・・・、いきてるよね・・・?」
アニ「・・・分からない・・・。」
エレン「てか、ヒョウもいねぇのか・・・。」
アルミン「」
ユミル「チッ!クリスタを探しにいかねぇと!」
全員がそれぞれの反応を示す。全員の心には不安が燻っていた。
だが、その不安は、いい意味で消える。
シュゥゥー
どこかから、立体機動のワイヤーを巻く音が聞こえる。
ハチマン!アトスコシダ!ハヤクコイ!
ワカッテル!ケド、ソウサシニクインダヨ!
ガンバッテ!ハチマン!
どこかから、慣れ親しんだ声が聞こえる。
ヒョウ「よし、っと。」スタッ
ハチマン「」スタッ
クリスタ「これた~!」
5人「「「「「ハチマン!((クリスタ!)ヒョウ!)」」」」」
エレン「お前ら!無事だったか!」
ヒョウ「ああ。大丈夫だ。全員、怪我1つねぇ。」
ユミル「クリスター!」
クリスタ「ユミル!」
ミカアニ「「ハチマン!」」ダキツキギュー
ハチマン「はいはい、ハチマンですよっと。心配かけたな。」ナデナデ
普段は絶対言わないであろう言葉を、平然と言うハチマン。
そんなハチマンに2人はデレデレになっていた。
・・・一応、戦場だよ?
というか、そんなにハチマンに甘えて、ズルイ!
私だって、ハチマンの頭ナデナデしたり、膝枕したり、
一緒にお風呂入ったり、一緒に寝たり、キスしたり、セ***したいのに!
・・・はっ!だめだめ。私は今は傍観者。これらをするのはまだ先よ!
ヒョウ「・・・はっ!なんだか、ハチマンの恋模様がだんだんと複雑というか
大変なことになっている気がするなぁ・・・。いいねぇ。」
ハチマン「2人とも、あの、放して。ガス補給したい。」
ミカアニ「「・・・分かった。」」
ハチマン「・・・また甘えていいから。な?」
ミカアニ「「!うん!」」
イアン「す、すまんが・・・、アッカーマン訓練兵。
お前は特別に後衛部隊だ。」
ミカサ「!・・・わ、私の腕では足手まといにハチマン「ミカサ。」
ハチマン「行って来い。お前が後衛に行ってくれると(より多くの住民が)助かるんだ。
そっちは任せたぞ。」
ミカサ「!うん。がんばって(ハチマンを)助ける。」
ハチマンの応援(?)のおかげでミカサが全力を出せたのは、
多くの人にとって僥倖だろう。
そんなことになることに気付かず、ハチマンは、
ハチマン「さて、補給するか。」
ヒョウ「そうだな。」
いつもどうりだった。
ガスホキュウチュウ~
ハチマン「さて、配置に付くか。」
ヒョウ「そうだな。」
その時、そう言った2人を、2人の傍観者が見ていることを
まだ、誰も知らない・・・。
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