やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか
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パラディ島編 第4話 シガンシナ区進行②
845年、シガンシナ区は超大型巨人によって外門を破壊された。
門を破壊されたため、壁内には巨人が入ってくる。
巨人達は逃げ惑うシガンシナの住民を捕食し、街は地獄絵図となっていた。
―――
――
―
そんな崩壊した街の外れ。
そこには―――
「みんな、行くよ」
「「「「ああ(アア)(うん!)」」」」
「さぁ…相手してやる」
数多くのAUと彼らを守るもの、理ことわりに愛された者が対峙していた。
眼中にいるニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべた巨人からエレン達を逃がすため、俺たちはその巨人と対峙していた。
俺の『骨支配』で創った何故か扱える弓をもち、ヒョウには剣と盾を渡してあるので多少は戦える。
だが半年近く山で暮らしていた故に培った技術も巨人相手に通用するかどうかは怪しい。
ので、ヒョウの『想像力とAUの守護者インク!サンズ』で『AUサンズ』達をよび出し、戦力として加わってもらう事にしたのだが…まさか、クロスやエピックだとは予想外だった。
…グリッチサンズもよんでくれねぇかな…。
そんな願望が漏れ出すも今はそんな状況では無いと気を引き締め巨人と対峙する。
まずは俺とドリームの弓の牽制。
これで目を潰せれば結果オーライ、そのまま逃げる事ができる。
何せ…
《…ハチマン、現段階では巨人の討伐方法が分かっていない。
今は逃げに徹するべきだ。幸いにも、目を潰せは時間は稼げるようだからな》
こちらには『異常者オカシナモノ』という知恵者がついているのだから。
『森羅万象』を持っている『異常者オカシナモノ』のいう事は殆どの確立で的中する。時折広まっている情報自体が偽りである事があるため、殆どと付くのだが…偽り無い情報だけが世の中に出回っていると仮定すれば、『異常者オカシナモノ』から得る情報は確実に正しいものになるのだ。
そんな確実性の高い情報源の言葉をこの危機的状況で疑う余地などない。
そのため、俺はドリームと共に巨人の目に向かって矢を放つ。
「フッ!」
放たれた骨の矢と光の矢はそれぞれ真っ直ぐ飛ぶが、俺の放った骨の矢は途中で速度を落としてしまい、巨人の胸骨部分に刺さる。
だが、ドリームが放った光の矢は無事巨人の左目に当たり、視界を潰すことに成功した。
続けて矢を放つドリーム。
その放たれた矢は巨人のもう片方の瞳へ刺さり、完全に視界を潰す結果となる。
「ナイスだ、ドリーム!
今の内にさっさと逃げよう!」
ヒョウの言葉で身体を動かし、弓を構えながら門に向かって走る。
すると、家と家の隙間から小型の巨人がこちらを捕食しようと手を伸ばしてきた。
咄嗟に構えていた矢を放つ。
すると運が良かったのか矢は巨人の眼球に勢い良く当たり、巨人は眼球が潰れた痛みで悲鳴を上げ顔を押さえて行動不能になった。
「危なかった…」
「大丈夫か、ハチマン!」
「ああ、一応は」
「気を付けた方がいい。
捕まれたなら兎も角、すぐに食われたのなら助け様が無いぞ!」
ヒョウの忠告を受け、俺は周囲をしっかり警戒しながら門へ急ぐ。
だが、やはりというべきか行く先々で巨人と遭遇した。
しかし…
「…」
「よう、Bruh。それじゃあな」
「僕は『幸せ』を届けに来た。だから…君にも幸せを」
「ハハハ、イイゼ!ソノ悪感情!痛ミガ、ソノ生ガ!
スベテ悪夢ミテェナンダロ?ワルイガ、ソノ終ワラセ方ハ知ラネェンダ。
ダカラ…精々苦シンデクレヨ!」
ヒョウのよび出したAUサンズ達が悉く倒していく。
だが、その攻撃は顔面を切り落とす、脚を斬る、骨で串刺しにする、目を矢で射抜くなどで精一杯であり、やはり止めを刺すことはできない。
それでも十分に逃げ切る事が出来ている為、問題は無いのだが…。
そう思いつつ、俺は力を振り絞って家の屋根で丁度見えなかったところから出てきた俺の10倍はある身長の巨人に向かって矢を放つ。
また当たらないと思われた矢は先ほどと違って眼球にあたり、視界の半分を潰す事に成功した。
「よし」
そう呟いて荒い息を整える。
見る限りの地獄絵図だが、それでも生き残らなければならない。
折れそうになる心をそうやって鼓舞しつつ、先へ進んでいると、
「キャアアァァァッ!」
その悲鳴と共に視界の端で巨人が俺よりも年下であろう少女へ腕を伸ばすのが見えた。
少女は恐怖で動けなくなっている。
そんな少女を庇おうと近くにいた母親であろう女性が抱きしめるも、おそらく2人とも捕まれて捕食されるだろう。
少女とその母親を助ける為、咄嗟にそちらに矢を射ろうとするも距離的に間に合わないと直感で理解する。
万事休す…と思ったとき、
「ッ!」
近くにいたのかヒョウがその巨人が手を伸ばそうとしている少女と母親の方に向かって信じられない速度で走っているのが見えた。
もしかしたら助ける事ができるかもしれないと思い、構えていた弓から矢を放つ。
ヒョウが巨人の手と少女たちの間に入った丁度その時、矢が巨人の眼球にクリーンヒットした。
すると、ヒョウは巨人の手を盾で受け止め、その親指を剣で切り上げて返しの力で他の4本の指も切り下ろし、最後に巨人の手を盾で押し返す事で少女達を守る。
その行動によって巨人は片手の指をすべて失い、悲鳴のような声をあげた。
「うるさっ!」
「うぐぅ…早く…行って…ッ!」
「!は、はい、ありがとうございます!」
声に怯む中、ヒョウが親子へ移動を促す。
親子は感謝して、先を急いでいった。
それに続いて、俺たちも耳の中で残る耳障りな声に耐えながら路地裏を進み角を曲がり喰われたであろう人々の亡骸を横目に先へ進むと、ようやく門が視界に入った。
「…よし、あと少し…!」
希望が見えた、そう思ったとき、
「!おい!大砲準備!巨人が来るぞ!」
門の前で大砲を撃っていた駐屯兵の言葉が耳に入る。
またかと思いつつ、一応弓を構えながらそちらを見ると、
「…なんだ、ありゃ…」
先ほどまで見た巨人とは違った、鎧のような形の皮膚を持つ巨人が大通りから走ってくるのが見えた。
「大砲、撃て!」
ドンッ!
ドドンッ!
立て続けに放たれた大砲は付近に居た巨人に命中するもその鎧のような皮膚の巨人には当たらず、巨人はそのままこちらに向かって走ってくる。
「くっ…装填!撃てーッ!」
ドンッ!
今度の弾は走ってくる巨人へ命中した。
だが…
「なんだ、こいつ!?武器が効かない―――」
一切の傷を負わず、そんなものお構いなしとばかりにこちらへ猛ダッシュしてくる。
ドンドン…ドンドン…
「くるぞ!巨人が!突っ込んでくる!」
「ッ!」
突っ込んでくる巨人から逃げるように急いで門を潜る。
すると、門は巨人のタックルによって粉々に砕けた。
『ハァァァァァァー』
膝を突き蒸気を吐き出す機関車のような音を口から出し、息を吐く巨人。
俺たちはギリギリその巨体を身に受けず、どうにか無傷で済んだ。
(…危なかった…。恐らくコイツ相手じゃあこの弓は効きそうにないしな…)
レンガで出来た壁を易々と破壊する目の前の巨人に危機感を募らせる。
そうしながらも脇を移動し、どうにかこの場を脱する手を考えようとしていたその時、
「!」
巨人がこちらを視界に入れた。
だが巨人は意外にもこちらを無視し、壁内へと走っていく。
「…助かった…のか…?」
「おい、ハチマン!」
少しの間呆然としていると、ヒョウに名を呼ばれる。
そして、ここに”死”が蔓延している事を思い出した。
「ハチマン、早く逃げないと…!」
「ああ…だが、逃げるたってどう逃げるか…」
そう口に出しながら周囲を見渡し、記憶の中を探る。
そして、北西方向に馬小屋があるのを思い出した。
「!確か…北西方向に…」
「北西…あ!確か、あそこには馬小屋が…!」
「ああ、まだ馬が残ってる可能性に賭けて…行って見るぞ」
「そうしよう、こんな所でまだ死にたくないからな」
そう言葉を掛け合い、街の外側に沿って北西へと向かう。
道中は運が良かったのか巨人に出くわすことなく、お目当ての馬小屋を見つけた。
「よし、あった!」
「馬は…5頭はいるな…」
「なら…一緒に乗るか。駐屯兵団の人たちも使う可能性があるし」
「お、おう。そうだな…」
…俺、馬って乗れるかしら…。
「大丈夫、安心しな。私が運転する。
…運転って言い方が合っているのかどうか分からないが」
俺が不安を募らせている事を悟ったのか、ヒョウが俺に自身有り気に言う。
「…できるのか?」
「多少は知ってる。
前世のほうで一応乗馬経験があるからな!」
「おお!」
初めて知ったぞ、そんなこと。
「初めて言ったからな。そりゃしらねぇよ。
寧ろ知ってたら怖いわ」
「心を読むんじゃねぇ、心を」
そんな風に恐怖や不安を紛らわせながら馬に乗る。
「皆、手を貸してくれてありがとう。
またよぶ時はよろしく」
「「「「ああ(アア)(うん)、またな(ね!)」」」」
ヒョウがそうAUサンズ達に言うと、まるで元からその存在がなかったかのように4人?が消え去った。
「…よし、急ごう」
「うん、行けーッ!」
そうやって、俺たちは馬を走らせこの場をあとにした。
(つい今日壁が破壊されるなんて…心の中ではどこか大丈夫だと楽観視していたんだろうか…。いや、楽観視していたからこそ動揺し、動けなかったんだろうな…。
今日、この日だけでどれだけの人間が死んだんだ?どれだけの命が魂と化したんだ?分からない…分からないが…その命だけは無下にしたくない…!その魂を…理不尽に奪われた命を…無かった事にだけはしたくない!
だから…抗ってやる。相手がいかに理不尽であろうと…己の足が恐怖で震えようと…その歩みを止めてたまるか…!)
《確認しました。条件を満たしました。ユニークスキル『勇気アユムイシ』を獲得…成功しました。続いて、ユニークスキル『不屈オレヌココロ』を獲得…成功しました。》
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