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イベリス

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第九十三話 お弁当を食べてからその六

「食べて来たらいいわ」
「そうしてくるわね」
「女の子が食べるものは」
「別に決まってないのね」
「全くね」
「牛丼食べてもいいのね」
「逆にお爺さんがパフェ食べても」
 そうしてもというのだ。
「全くね」
「問題ないわね」
「そうでしょ」
「ええ」
 確かにとだ、咲も答えた。
「それはね」
「だったらよ」
「行って来るわね」
「ええ、それで卵入れて」
「紅生姜もね」
 こちらもというのだ。
「入れて」
「掻き混ぜて」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「楽しんでくるわ」
「そうしてきなさいね」
「ええ」
 咲も笑顔で応えた。
「そうしてくるわね」
「愛ちゃんと一緒にいることは咲にとっていいことだしね」
 母はわかったといった様な顔と声でこんなことも言った。
「どうやら」
「それね、私もね」
 咲もそれはと応えた。
「前から言ってるけれどね」
「愛ちゃんに何かと教えてもらってるのね」
「一緒にいたら楽しいし本当にね」
「何かと教えてもらってるのよね」
「だからね」
 その為にというのだ。
「私もいつも一緒にいたいの」
「ええ、だからね」
「それでよね」
「お母さんも今は言うわ」
「お姉ちゃんと一緒にいて遊んで」
「色々なことを教わりなさい」
 娘に姪を信頼して話した。
「そうしなさいね」
「そうしていくわね」
 咲もそれならと応えた。
「是非ね」
「そうしなさい、それで牛丼もね」 
 この食べものもというのだ。
「食べていったらいいわ」
「そうね、他のものも食べるかもだけれど」
「牛丼は絶対ね」
「そう決めたわ、お姉ちゃんも好きだしね」
 愛もというのだ。
「だからね」
「一緒に食べるのね」
「そうしてくるわね」
 母に笑顔のまま応えた。
「それで東京の何処かの駅もね」
「行って来るのね」
「そのことも忘れないでね」 
 それでというのだ。
「やっていくわ」
「東京は本当に場所によって違うから」
「そうよね」
「ちょっとした旅行になるわ、旅行もいい勉強になるから」
 だからだというのだ。
「どんどんね」
「行くといいのね」
「東京は駅も多しね」
「本当に多いわね」
「狭い中でね」
「やっぱり一千万の人がいたら」
「それだけね」
 まさにというのだ。 
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