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イベリス

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第九十三話 お弁当を食べてからその四

「好きよ」
「お母さんもお父さんも」
「特にお父さんがでしょ」
「ワンタン麺好きよね」
「昔からね」
「私も嫌いじゃないしね」
「お家にあるからね、よく」
 買い置きしているというのだ。
「だからね」
「私もよく食べてるわね」
「あんたもワンタン麺嫌いじゃないでしょ」
「ええ」
 咲はまさにと答えた。
「あちらもね」
「そうでしょ、親子でね」
「食べるものの好みって似るのね」
「遺伝みたいにね」
「そうなのね」
「特にそうしたインスタント食品とかファーストフードは」
 そうした食べものはというのだ。
「親の影響をね」
「遺伝みたいに受けて」
「それでね」 
 そのうえでというのだ。
「似るのよ、牛丼もそうでしょ」
「吉野家ね」
「あんた吉野家派ね」
「杉屋も八条屋も好きだけれど」
 八条屋とは八条グループの牛丼のチェーン店である、日本全国だけでなく世界各国で展開している。
「第一はね」
「吉野家ね」
「私はね」
「それもよ」
「お父さんもお母さんもなのね」
「昔からね」
 まさに若い頃からというのだ。
「食べててね」
「好きだから」
「それでなのよ」
 まさにというのだ。
「今もね」
「食べてるし」
「あんたもよ」
「好きなのね」
「そういうことよ」
「成程ね、紅生姜と卵入れて」
 咲は自分の牛丼の食べ方も話した。
「それで掻き混ぜてね」
「あんたそうして食べるのね」
「並をね」
 大きさの話もした。
「特大はね」
「あんた少食だしね」
「並で充分よ」 
 牛丼はというのだ。
「私は」
「お母さんはお味噌汁があればね」
 牛丼にというのだ。
「いいわ」
「ああ、お味噌汁ね」
「いいでしょ」
「牛丼と最高に合うわね」 
 咲は吉野家の牛丼のメニューのそれも思い出して述べた。
「お味噌汁って」
「お味噌汁はご飯に合うからよ」
「丼でもね」
「日本のお米のね」
 即ちジャポニカ米のというのだ。
「それに合うのよ」
「お味噌汁は」
「だからね」
 それでというのだ。
「お母さんはね」
「お味噌汁あればいいのね」
「牛丼食べるならね」
「あの組み合わせもいいわね」
「お父さんはおしんこがあればね」
 牛丼にというのだ。 
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