X ーthe another storyー
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第十一話 地夢その十一
「同じだよ」
「そうですか」
「確かに私は死んだけれどね」
それでもというのだ。
「まだだよ」
「終わっていませんか」
「そうだよ、これからだからね」
それでというのだ。
「見ていってね、多分ね」
「彼はですね」
「死んじゃうけれど凄く素直じゃないから」
それ故にというのだ。
「本当のことを言わないでね」
「それで、ですか」
「悪いことにはならないよ」
「運命では」
「うん、別の方にね」
「行きますが」
「そうはならないから、あと皆悲しむことはね」
北斗も悲しい顔になって述べた。
「なるよ」
「そのことはですね」
「やっぱりね」
どうしてもというのだ。
「避けられないよ、牙暁君もだよね」
「友達と言ってくれたので」
それでとだ、牙暁は答えた。
「嫌うどころか」
「好きだよね」
「そうだよね、私だってね」
「その時はですか」
「悲しいって思うよ、けれどね」
それでもと言うのだった。
「それでもね」
「もうそのことはですか」
「彼割けないと思うからね」
「その運命を」
「避けて欲しいけれど」
「避けないですね」
「ああした人だからね」
北斗は悲しい顔で未来を見つつ話した。
「運命は決まってなくて色々なものがあっても」
「彼の性格では」
「そうなるよ、三人ずっと一緒にいたかったけれど」
「それは適わず」
「一人にね」
最後はというのだ。
「なっちゃうけれど私と彼がいなくなっただけで」
「それで、ですね」
「もう一人のね」
「彼にもですね」
「皆がいてくれているから」
「その時は」
「大丈夫だよ、私はそう思うよ」
こう話したのだった。
「だからね」
「それで、だね」
「安心してね」
そうしてというのだ。
「見ていてね、絶望なんかね」
「することはない」
「そうだよ、じゃあね」
「はい、また」
「会おうね」
「そうしましょう」
二人は別れの挨拶を交えさせた、そしてだった。
北斗も姿を消した、その後で。
牙暁は庚の夢に来た、すると彼女から言ってきた。
「どうだったかしら」
「お二人はまだ」
「そうなのね、待つわ」
これが庚の返事だった。
「その時になったら絶対に来てくれるから」
「それが運命だから」
「待つわ、ただ最後の一人は」
「彼はですね」
「わかっているわね」
「ご本人が」
「それでもなのね」
牙暁を見て問うた。
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