ドリトル先生と山椒魚
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第四幕その十
「実際にダーウィンの進化論を今でも否定する人いるからね」
「聖書に書かれていることじゃない」
「そう言われてだね」
「否定されているね」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「昔なら尚更だよ、恐竜なんて」
「そうそう、聖書では六千年位前に世の中が出来たってあるよ」
王子は先生もまさにと答えました。
「神様が創ったって」
「そうあるね」
「だから恐竜はだね」
「何億年前の生きものはね」
そうした生きものはというのです。
「聖書が絶対に正しいならね」
「間違いになるね」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「ユダヤ教では恐竜を否定する人がいるよ」
「ユダヤ教も聖書だしね」
「旧約聖書だね」
「そちらになるからだね」
「そうなんだ」
まさにというのです。
「聖書は確かに素晴らしく神は存在していても」
「それでもだね」
「絶対とするならば」
「学問がおかしくなるね」
「しかもね、教えが歪められて」
そうなってというのです。
「絶対であると強制されたら」
「おかしくなるね」
「学問がね」
「だからオオサンショウウオもだね」
「言われることになるかもね」
「成程ね」
「ジャガイモもそうだったね」
先生はこの作物のお話をしました。
「最初は」
「そうそう、聖書に載ってないよ」
「ジャガイモは」
「アメリカ大陸から来たものは全部だけれど」
「聖書が書かれた時代アメリカ大陸は発見されてなかったから」
「バイキングが発見していて」
コロンブス以前にというのです。
「その前にカルタゴ人も発見していて交易を行ったという説もあるにしても」
「どちらの人達もキリスト教徒じゃないし」
「そうなるとね」
「聖書とは無縁だから」
「それじゃあね」
「聖書にジャガイモがないのは当然だよ」
このことはというのです。
「それで悪魔の作物と言って」
「食べられなかったね」
「欧州に伝わっても」
「暫くの間は」
「人間は食べなかったわね」
「家畜の飼料にする位で」
その位でというのです。
「プロイセンのフリードリヒ大王が広めるまではね」
「中々だったね」
「中々広まらなくて」
「そして食べてみたら美味しくて」
「痩せた土地でも沢山採れるしね」
「沢山の人が飢えから解放されたよ」
ジャガイモを食べる様になってというのです。
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