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八条学園騒動記

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第六百九十二話 カロリーを消費することその十

「目立つ様にね」
「アピールするんだ」
「そうしてくれればいいけれど」
「あの」
 ベンはトムの願を聞いて考える顔になって話した。
「カナダ人って前に出る方かな」
「前に?」
「自己主張する市民性かな」
 こうトムに言うのだった。
「どうかな」
「いや、それはね」
 すぐにだ、トムも答えた。
「よく言われるけれど」
「違うよね」
「もう連合一ね」
 こう言っていいまでにというのだ。
「地味というかもの静かというか」
「自己主張はしないよね」
「あまり喋らないし」
 そうしてというのだ。
「前に出ることもね」
「僕の言う風にだね」
「そうすることもね」
「しないね」
「うん」
 その通りだと答えた。
「そうだよ」
「そうだよね」
「そうした市民性でないから」
「目立たないね」
「うん、只でさえ連合は自己主張が強い国が多いのに」
「そうでないと個性が強いね」
「日本とかね」 
 日本の個性の強さはこの時代でも健在である、その為自己主張をしない市民性でも連合屈指のメジャー国家であるのだ。
「凄いよね」
「けれどカナダは」
「個性もね」
 国家のそれもというのだ。
「自然豊かで産業もね」
「あるね」
「色々な産業が栄えているよ」
「それで連合でも豊かだね」
「そう言っていい国だよ」
 このことは事実だというのだ。
「本当にね」
「それでもだよね」
「どれもトップじゃないし」
 どの産業もというのだ。
「それで文化もね」
「目立つものないとか」
「そうなんだよね、文学も芸術もね」
 こうした文化もというのだ。
「どうしてもそうで」
「スポーツは」
「そっちもだよ」
 その分野もというのだ。
「ウィンタースポーツは得意でも」
「寒いからだね」
「うん、スキーとかスケートとかね」
「あとホッケーもだね」
「そうしたものは得意でも」
 それでもというのだ。
「それで冬季オリンピックよく開いてるけれど」
「他の国もしていて」
「ウィンタースポーツをね、それでスポーツで勝っても」
「それを宣伝とかは」
「しないしね」
 これといってというのだ。
「だからね」
「そのことでもだね」
「どうしてもね」
 ベンに困った顔で話した。 
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