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新オズのカボチャ頭のジャック

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第四幕その六

「後の世ではな」
「実際の信長さんは違うんですね」
「そこはわかって欲しいものじゃ」
「そうですか」
「うむ、ではそろそろ茶室であるが」
「はい、お茶ですね」
「皆で楽しもうぞ」
 笑顔で言ってでした。
 一行は今度は茶室に入りました、そしてです。
 そこに入るとでした、そこに一人のお年寄りの髷の人がいました。その人はオズマ達を見るとすぐに言いました。
「オズマ姫ようこそ」
「ええ、今回はお邪魔させてもらうわね」
「それでは」
「爺、茶はわしが煎れるぞ」
 信長さんはお年寄りに笑顔で告げました。
「そうするぞ」
「そうされますか」
「その様にな」
「さすれば」
「この爺が平手五郎左衛門じゃ」 
 信長さんは恵梨香達にこの人の紹介をしました。
「諱は政秀という」
「そうなんですね」
「今はこうして共におる」
「まさか殿が天下人になられるとは思いませんでしたが」
 平手さんは笑って応えました。
「それでに今こうしてオズの国に共におられるとは」
「思わなかったな」
「はい、ですが非常にです」
 平手さんは信長さんに笑顔で応えました。
「満足しております」
「今はじゃな」
「立派な殿のお傍にいられるので」
「爺は何かとわしを心配しておったしのう」
「その殿が天下人になられ」
 そうなってというのです。
「今はオズの国で幸せにされていますので」
「だからか」
「左様です」
 まさにというのです。
「それがしも」
「そうであるな」
「ただ傾くのは変わりませんな」
 このことはというのです。
「そのことは」
「ははは、わしはここでもじゃ」
 オズの国でもとです、信長さんは平手さんに応えました。
「傾いておるぞ」
「それは変わりませんな」
「ずっと傾いていくぞ」
「そして茶でもですな」
「そうするぞ、では姫も他の者達も座られよ」
 信長さんは一行に穏やかな声絵をかけました。
「これより茶を楽しもうぞ」
「それではね」
「ああ、足は崩してよい」
 オズマにこうも言いました、もう座布団は用意されています。
「慣れておらんとな」
「それならなのね」
「よい」
 それはというのです。
「痛くなるからのう」
「そうね、どうしてもね」
「正座に慣れておらんとな」
 どうしてもというのです。
「だからな」
「そうした人は足を崩して」
「そして座ってな」
 そのうえでというのです。
「楽しんでもらう」
「それではね」
「では飲もうぞ」
 こう言ってです。
 信長さんは皆が座ってからお茶を煎れます、そして和菓子が来ましたが。
 信長さんはその和菓子を見て目を細めさせて言いました。 
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