X ーthe another storyー
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第十話 固絆その十五
「私もね」
「それでは」
「ええ、では何かあれば」
「ここに来て下さい」
「そうさせてもらうわ」
「しかし。キリスト教の人もおられるなんてな」
空汰は彼女の宗教のことを思った。
「ほんまな」
「色々な人達がいますね」
「そやな」
護刃に応えて述べた。
「わいもそのことをな」
「実感しますね」
「教会もです」
丁がここで答えた。
「やはりです」
「東京の結界の一つになっているんですか」
「はい」
そうだというのだ。
「寺社や他のもとと同じく」
「そうなんですね」
「ですから」
それでというのだ。
「キリスト教、天理教もですね」
「教会もですか」
「存在しているだけで」
「結界になってますか」
「勿論他のです」
「東京にあるものもですね」
「結界です」
そうであるというのだ。
「それは」
「そういえばだ」
神威は結界の話を聞いていて言った。
「東京の結界は多いというが」
「どれが結界か、ですか」
「そうだ、具体的に知りたいが」
「それでは、まず新宿の高層ビル群がです」
「あれがか」
「墓石の様にです」
「結界になっているか」
「そして山手線も」
これもというのだ。
「皇居を中心にしていますが」
「天皇陛下のおられる場所か」
「はい、陛下をお護りもしています」
「山手線にはそういう意味があったか」
「あれは仏手の形に敷かれていますが」
山手線、それはというのだ。
「絃状結界なのです」
「そうだったのか」
「そしてサンシャイン六十や中野サンプラザも」
こういったビルもというのだ。
「結界です」
「そうだったか」
「銀座の時計台、井の頭公園も」
「結界か」
「レインボーブリッジ、靖国神社も」
「あの神社もか」
「そうです、そして五つの不動明王を祀ったお寺も」
「五つ共か」
「結界でして」
東京を護るそれであってというのだ。
「そもそもが東京は四神相応の地です」
「確か風水の」
「そうです、四霊獣達がです」
「護る土地か」
「外からそうなってもいます」
「考えに考えられているか」
「北東の日光東照宮も然りです」
徳川家康を神としているこの宮もというのだ、丁は神威に東京の中だけでなく外の結界の話もするのだった。
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