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ハッピークローバー

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第七十話 平和だろその十一

「災害なんてね」
「ない方がいいでしょ」
「ないに越したことないわよ」
 それこそというのだ。
「実は自衛隊って出動多いけれど」
「災害で、よね」
「それがあったら」
「その都度よね」
「出ないといけないからね」
 要請があればだ。
「もうね」
「出動が多いってことは」
「もうそれだけね」
「災害の多いってことだから」
「それじゃあね」
「どれだけ災害が多いか」
 日本はというのだ。
「考えるとね」
「凄いわね」
「だからね」
 留奈はさらに話した。
「私もね」
「そう思うのね」
「ええ、災害の多い国だけれど」
「その災害がなかったよ」
「最高よ、災害がないだけで」
 まさにそれだけでというのだ。
「最高よ」
「そうよね」
「戦争は言うまでもないし」
「災害もってなると」
「最高よ、けれどね」
「けれど?」
「何も心配や困りごとがないのは」
 こうしたことはというのだ。
「そうはね」
「ないわよね」
「世の中ね」
 こう言うのだった。
「考えてみれば」
「そうよね」
「だから戦争がないなら」
「それでってなるのね」
「いいかもね」
「最高はなくても」
「次善ならね」
 それならというのだ。
「もうね」
「それでなのね」
「幸せよ」
「そうね、災害も嫌だけれど」
 ケニアから来た娘も話した。
「戦争とどっちが嫌か」
「戦争はもっと酷いわよね」
「殺し合いだからね」
 人と人のというのだ。
「こんな酷いことはないわよ」
「じゃあ災害の方がましね」
「まさにそうよね」
「じゃあ戦争のない国にいられたら」
「それだけで幸せよ」
「そういうことね」
 二人で部活の合間にこんな話をした、そしてだった。
 留奈は江田島の資料館にも行く話を聞いてだ、話をした二年の日本人の先輩に対してこんなことを言った。
「戦争のですね」
「そうよ、海軍のね」
 先輩は留奈の話に応えて話した。
「資料館よ」
「この合宿ではそちらも行きますね」
「江田島に来たなら」
 それならというのだ。
「もうね」
「そこに行かないと、ですか」
「駄目というかうちの学校ね」
「伝統ですか」
「ええ、何でも戦争前からね」
 第二次世界大戦からというのだ。
「八条グループって海軍と縁があって」
「財閥だった頃からですか」
「陸軍ともだけれど」
「海軍とはですか」
「陸軍より縁があってね」 
 それでというのだ。
「それで今もよ」
「江田島の合宿の時は」
「そう、どの部もね」
「資料館に行って」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。 
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