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プリズムフラワー

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第三章

「ケース持ってるけれど」
「これだよ」
 将は笑顔で答えた。
「このケースの中にあるのがね」
「お花なんだ」
「晩ご飯の後でね」 
 それを食べ終わればというのだ。
「出すから」
「お花をなの」
「そうするからね」
「じゃあ今からお料理出すわね」
「今日は何かな」
「ビーフシチューとね」
 鍋に顔を戻して答えた。
「鱈のムニエルよ」
「洋食だね」
「ええ、それじゃあね」
「今からね」
「一緒に食べよう」 
 将も一緒に食事の用意をしてだった。
 そのうえで一緒に食べた、夕食は実に美味かった。
 そしてその夕食を食べ終わって後片付けもしてだった。
 将はケースの中の花を出した、その花はというと。
「あれっ、機械の」
「うん、そのお花だよ」 
 テーブルの上に出したその花を見せて話した。
「髭剃り買いに行ったけれど」
「それで髭剃りは買えたの?」
「無事ね、それでね」
「このお花もなの」
「買ったんだ、じゃあ今からね」
「お花見るのね」
「光るから」
 この花はというのだ。
「だからね」
「あっ、お部屋を暗しくて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「見ようか」
「そうね、それじゃあ」
「今からね」
「灯かり消しましょう」
 二人で話してだった。
 灯かりを消して夕食の時と同じ席に座ってだった。
 将が花のスイッチを入れた、すると。
 花は赤から橙、黄色から緑、青、紺、紫それに白とだ。
 ゆっくりと時計回りに回りつつ光った、それを見てだった。
 有紗は目を細めてだ、こう言った。
「奇麗ね」
「そうだね、まあ芸術品よりはね」
「安かったのね」
「うん、そしてね」
 そのうえでとだ、将は答えた。
「髭剃りを買う時にね」
「目に入って」
「それでいいと思って」
 そうしてというのだ。 
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