青行燈
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第二章
「まずはバイキング行きましょう」
「そうしようね」
「飲んで食べましょう」
こうした話をしてだった。
二人でパルコに入ってそこでバイキングを楽しんだ、様々なメニューの中華料理を食べて酒も飲んでだった。
二人はパリコを出たが楓は真っ赤になった顔で言った。
「いや、中々」
「美味しかったね」
「お値段も見ますと」
「かなりいいお店だよ」
「そうでしたね」
時分と同じく真っ赤な顔に小林に言った。
「本当に」
「それで先輩杏酒お好きですか」
「好きだよ、それで鬼頭さんは」
「実はビール派でして」
酒はというのだ。
「それで、です」
「ああした時はなんだ」
「甘いものもありましたが」
それでもというのだ。
「お酒はです」
「ビールが好きなんだ」
「そうです、ですから」
それでというのだ。
「あのお店でもです」
「ビール飲んでいたんだね」
「飲めるだけ、しかし」
楓は心斎橋の商店街を見回して言った。
「そんなですよ」
「青行燈が出るとか」
「鬼っていいますと」
この妖怪自体の話もした。
「京都ですよ」
「大阪じゃないっていうんだ」
「はい、それに妖怪といっても」
「大阪にはそんなに出ないんだ」
「はい、そっちもです」
妖怪全体もというのだ。
「京都です、幽霊も」
「あっちは凄く多いからね」
「鬼それに妖怪のお話が」
「それでなんだ」
「私もここが京都なら信じていました」
その話をというのだ。
「出るって言われても」
「京都ってある意味凄いね」
「あそこは世界一多いんじゃないですか?」
「妖怪や幽霊のお話が」
「だから私も信じていました」
そうだったというのだ。
「本当に」
「それで大阪は」
「ないですよ、大阪に鬼が出るなら」
笑って言うのだった。
「そこの道頓堀にですよ」
「あそこに?」
「昔沈められたケンタッキーのおじさんが出て来て」
明るく笑って話した。
「阪神に祟るとか」
「いや、実際祟ってるし」
小林は笑って話す小林に話した。
「あのおじさんは」
「それはそうですけれどね」
「それにもう引き揚げられたし」
実はそうなっているのだ。
「今は祟りだけがあるよ」
「その祟り巨人に行って欲しいですね」
「僕も巨人ファンだから思うよ」
小林もこう返した。
「それはね」
「そうですよね」
「全くだよ、しかし鬼頭さん酔ってるね」
「否定しません」
パルコの前で笑って話した。
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