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ドリトル先生と山椒魚

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第三幕その八

「そうだね」
「そうそう、欧州ではね」
「神学がまずあって」
「そこから哲学や法学が成り立って」
「文学や社会学もだね」
「そして語学も」
「神学はラテン語だから」
 それで書かれているからだというのです。
「ラテン語を学ぶことになるけれど」
「ラテン語は欧州の言語の幹だからね」
「まずラテン語をマスターしたらいいのよ」
「他の学問もわかる」
「そうよね」
「そして中国語は欧州の言語じゃないけれど」 
 それでもというのです。
「文法は同じだからね」
「だから欧州の言語をマスターしているとね」
「中国語は後は漢字を覚えれば楽だね」
「物凄い量の文字だけれど」
「それで中国語もいけるよ」
 そうなるというのです。
「そして医学はね」
「こちらは理系の幹でね」
「医学を学ぶとね」
「他の理系の学問もわかりやすいよ」
「欧州ではね」
「幹を学んだら」
 学問はというのです。
「もうね」
「かなり楽になるわ」
「他の学問を学ぶことは」
「本当にね」
「ローマ教皇で三つの博士号を持っていた人がいたけれど」
 先生はこの世で最も有名な宗教家の一人のこともお話しました、勿論日本でも広く知られている人です。
「その人は神学、法学、哲学だったよ」
「確かアレクサンドル六世だったね」 
 老馬がその教皇の名前を出しました。
「ルネサンス期の」
「謀略家で有名で」
 こう言ったのはホワイティでした。
「いい人じゃなかったね」
「ボルジア家の人だったね」
「チェーザレ=ボルジアのお父さんだったわ」
 チープサイドの家族はどの人かを言いました。
「カトリックの聖職者は昔は結婚出来なかったけれど」
「愛人さんがいてね」
「兎に角悪い人だったね」
 トートーも言います。
「いいお話はないね」
「当時ローマカトリック教会色々あったけれど」
 ジップもこのことは知っています。
「あの人も悪い人だったね」
「それで息子さんと沢山悪いことをして」
 こう言ったのはガブガブでした。
「今も知られているわね」
「けれど頭はよかったんだね」
「学問は出来たんだね」
 オシツオサレツは二つの頭で言います。
「そちらはね」
「よかったんだね」
「それで博士号を三つも持っていたのね」 
 ポリネシアも言います。
「そのことは凄いわね」
「そして何故博士号をそれだけ取れたか」
 ダブダブは考える顔で言います。
「今先生が言った通りだね」
「もうそこに答えが出ているよ」
 チーチーははっきりとした口調で言いました。
「まさにね」
「そうだよ、まさにそのアレクサンドル六世でね」
 博士は人から答えました。 
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