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イベリス

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第九十一話 合宿打ち上げその五

「そうだったのよ、それで私は体力ないし」
「身体に気を使ってるから」
「これからも煙草はね」
 これはというのだ。
「絶対にね」
「吸わないのね」
「そうするわ」
 こう言うのだった。
「何があってもね」
「それがいいわね、私もね」
「吸わないのね」
「当然今も吸ってないし」
「これからもなのね」
「吸わないでね」 
 それでというのだ。
「暮らしてくわ」
「やっぱり煙草はよくないわよね」
「身体にね」
「いいお話なんてね」
 それこそとだ、咲は言った。
「一切聞かないからね」
「何か吸うと頭すっきりするって言うけれど」
「いや、吸ったらね」
 かえってどうなるかとだ、咲は話した。
「もうそれだけで頭の細胞がね」
「かなりやられるのよね」
「そうなるから」
 科学的に言われていることを話した。
「だからね」
「煙草は吸わないことよね」
「気分転換とか頭がすっきりしてね」
「よくなるとか」
「それ間違いで」
「かえってよくないのよね」
「喉にも肺にも悪いしね」
 こちらにもというのだ。
「煙草を吸うこと自体がね」
「身体によくないのね」
「絶対にね」
 間違いなく、というのだ。
「だからよ」
「咲っちは最初から吸わなくて」
「あんたもでしょ」
「ええ、うちのお父さんが言ってたけれど」 
 クラスメイトはここで自分の家族の話を出してきた。
「何でも信長の野望ってあるでしょ」
「シュミレーションのシリーズよね」
「あの作品のうちの一つでアイテムに煙草あったそうなのよ」
「そうなの」
「それ持ったらね」 
 アイテムとしてというのだ。
「寿命が十年縮まったそうよ」
「全然いいことないわね」
 咲はその話を聞いて即座にこう返した。
「それって」
「そうでしょ、だからお父さんも絶対に持たなかったそうよ」
「寿命が縮まるならね」
「それこそ寿命の短い人が持ったら」 
 その時はというと。
「すぐにね」
「死ぬのね」
「カースアイテムってあるけれど」
「まさにそれね」
「そう言ってたわ」
 クラスメイトの父親はというのだ。
「本当にね」
「まあそうでしょうね」
「寿命十年ってね」
「大きいからね」
「十年あったら」
「もう色々出来るわよ」
 咲は強い声で述べた。 
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