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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十五話 十三、知恵を出すのことその九

「やってくれるわ」
「同じ属性同士の相手を投入してきましたね」
「ええ、こう来るとね」
「まずいですか」
「どの陣にも属性があるわね」
「はい、それは確かに」
「それを衝かれるとね」
 どうかというのだ。その場合はだ。
「十絶陣は弱いのよ」
「そうだったのですか」
「例えばよ」
 ゲーニッツにも顔を向けてだ。司馬尉は言った。
「貴方の力は風よね」
「はい、その通りです」
「その風と同じ力で来られたらどうかしら」
「中々やりにくいですね」
「そうでしょ。これは対する力ならどうかしら」
「その方がやりやすいですね」
 ゲーニッツは穏やかに笑って答えた。
「力と力の完全なぶつかり合いですから」
「多分向こうもそう来るつもりだったのよ」
 徐庶の考えは知らない。だがそれでも読むことはできた。
 それ故にだった。司馬尉は今言えたのである。
「けれどそれをね」
「ああしてですね」
「攻めて来られると」
「例えこちらが勝っても」
「力がなびいているだけに」
 同じ属性のだ。それにだというのだ。
「相手に向かうことは少ないわ」
「そうなりますか」
「本当によく考えたわ」
 これまで以上に忌々しげに言う司馬尉だった。そしてだ。
 あらためて陣を見る。その十の陣を。その状況は。
 まだ力は伯仲していた。しかしだった。次第にだ。
 陣の力はだ。戦士達の力になびいっていっていた。それを見てだった。
 徐庶はだ。確かな声で言った。
「このままで、です」
「いけるのね」
「はい、このままいけば」
 大丈夫だとだ。劉備に言うのだった。
「十絶陣は全てです」
「破れるのね」
「そしてその力は」
 陣の力もだ。どうなるかというのだ。
「私達のものになります」
「けれどその力使えるのかしら」
「それは任せてくれ」
 ここで出て来たのは華陀だった。
 彼はその戦いを見ながらだ。劉備と徐庶に述べたのである。
「俺の針に力を乗せてだ」
「そうしてなんですか」
「敵陣に打ち込む」
 そうするというのだ。
「針を投げてそうしてだ」
「その針に力を乗せて」
「そのまま敵陣に打ち込めば。敵にかなりのダメージを与えられるからな」
「華陀さんの針ってそういうことにも使えるんですね」
 それを聞いてだ。思わず言う劉備だった。
「治療だけじゃなくて」
「ああ、俺の針は五行の力を全て取り入れることができる」
 そうだとだ。その黄金の針を出して言ったのである。
「だからだ。それを使う」
「ではお願いします」
 徐庶はすぐにだ。華陀に対して言った。
「そしてそのうえで」
「ああ、敵の数は少しでも減らさないとな」
「はい、敵の数は百万といったところです」
 徐庶は今度は敵陣の中央を見た。その中央を見てだ。
 それでだ。華陀に言ったのである。
「これを五十万位まで減らして」
「後はな」
「はい、一気に攻めましょう
 既に包囲はしている。後は十絶陣を破りその力を敵に打ち込んでだった。それからだと言うのだ。
 その十絶陣を見つつだ。今度はだ。
 袁紹がだ。眉を顰めさせて言うのだった。
 
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