ヴィーガンの少女
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第一章
ヴィーガンの少女
中学二年生の加藤心優はそのままだとボブになる黒髪を左右でテールにしている、細く切れ長の目で色白で唇は赤くやや丸い感じの顔だ、背は一五五位で足は奇麗だが胸はない。
その彼女にクラスメイトで幼稚園の頃から一緒の栗橋忍心優より五センチ程背が高く少しふくよかな身体つきで顎が尖った面長の顔に優しい感じの顔で茶色の髪の毛をストレートで伸ばしている彼女が尋ねた。
「最近給食でお肉とお魚食べてないよね」
「実はそうしてるのよ」
心優は忍に答えた。
「ヴィーガンになったの、私」
「ヴィーガンってあの」
「菜食主義ね、簡単に言えば」
「そうよね」
「生きものの命を奪う、食べるって悪いことだから」
そう考えるからだというのだ。
「それでね」
「お肉やお魚食べないのね」
「それで牛乳や卵もね」
「そうしてるのね」
「お家でもそうしてるの」
心優は忍に真面目な顔で話した。
「お父さんとお母さんに行ってね」
「そう言われたらお坊さんみたいね」
忍は心優の話を聞いてふと思った。
「生臭もの駄目っていう」
「今は仏教のお坊さんもお肉とか食べるけれどね」
「進んでじゃなくて貰ったら」
「大事なのは残さずでね」
「そうよね」
「けれど私はヴィーガンだから」
それでというのだ。
「そうしてるわ」
「そうなのね」
「ええ、これからもね」
こう言ってだった。
心優は肉や魚そして動物性のものは口にしなかった、最初のうちは何でもなかったが次第に痩せてきて体力も減って来て。
心配した忍は心優に一緒に入っているテニス部の部活の中で言った。
「牛乳位飲んだ方がよくない?」
「お家で豆乳飲んでるけれど」
「それでもね、最近痩せ過ぎで体力も減ってるし」
「大丈夫よ」
「そうかしら」
「食べる量は変わってないしね」
「けれど栄養が偏ってたら」
「命奪うよりはずっといいでしょ」
「ううん、けれど考えてみたら」
ここでだ、忍は心優に首を傾げさせて言った。今は部活なのでセーラー服ではなく学校の青のジャージ姿である。
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