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糞親父の多い漫画家

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第二章

「よかったらね」
「読めばいいのね」
「そうしたらいいわ」
「それじゃあね」
 早紀も頷いた、そしてだった。
 実際に放課後漫画喫茶に寄って読んでみた、それは数日に渡って続き。
 早紀は学校で言った、この時も体育の授業中だった。
「いやあ、殆どの長編特にギャグ系でね」
「出てるでしょ、糞親父」
 紹介した彼女が応えた。
「本当に」
「お湯やお水で性別変わる漫画でもね」
「主人公のお父さんも剣道家の先輩と新体操の妹のお父さんもね」
「校長先生でもあるのに最悪だったわ」
「よく見たらヒロインとお姉さん達のお父さんもね」
「それぞれ糞親父で」
「霊界で働いている漫画でもね」
 この作品でもというのだ。
「主人公のお父さんがね」
「まさに糞親父だったわね」
「あの人の作品って父親はね」
「高確率で糞親父なのね」
「タイプは様々でも」
 それでもというのだ。
「あの海が好きの親父さんといいね」
「あの人が代表で」
「他のお父さんもね」
「糞親父なのね」
「そしてその糞親父達を上手に使うから」
 作品中特にギャグの場面でというのだ。
「面白いのよ」
「そうね、確かに面白いわ」
 早紀も否定しなかった。
「読んでみたらね」
「そうした漫画家さんもいるのよ」
「糞親父をよく出す人も」
「何でも作者さん大リーグ何とか投げる漫画の親父さんが好きで」
「ああ、あの糞親父の中の糞親父ね」
 早紀は大リーグ何とかでわかった、世にもおぞましいことにこの世の邪悪を集めた読売ジャイアンツを主役に置いた戦後日本のモラルの崩壊を象徴する作品である。
「作者さんあのキャラ好きなの」
「それでね」
「ああして作中に糞親父出していってるのね」
「そうなのよ」
「そういえばあの作品のネタ結構使ってるわね」
「あの漫画確かに一世を風靡したしね」 
 今尚ネタとして使われる位にだ。
「ネタとして面白いから」
「それでよ」
「それでなのね」
「あの人の作品でも出てるみたいよ」
「成程ね、しかし糞親父が好きな漫画家さんもいるのね」
「そうよ」
「それも世の中ね、しかもそれが面白いし」
 早紀は笑顔で言った、体育館の中でバスケの授業をしつつ。
「いいわね」
「そうでしょ、それじゃあね」
「これからよね」
「そうよ、本当にね」
 こうした話をしてそのうえでだった。
 早紀は自分の番になると早速動いた、体育の間の一幕である。そうした話をしながら体育の授業を受けていた。


糞親父の多い漫画家   完


                 2023・3・22 
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