その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう
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ななのちゃんは夏休みに入ると、お母さんの仕事が休みだという木曜日以外は殆ど僕の部屋で過ごすようになっていた。だけど、キャミソールにショートパンツのことが多くって、彼女はそんなこと意識してないんだろうけど、僕は戸惑うようになっていた。春から比べると背も伸びて、胸の膨らみも大きくなってきていたからだ。行き帰りにはその上にサマーワンピースを着てるんだけど、部屋に居る時は暑いからと脱いで勉強している様子だったのだ。
だけど、僕はあえて、そのことを言うと、余計に意識しているように思われるからと気にならない素振りをしていたのだけど。さすがに、僕が休みの時は、朝から彼女の姿と暑さに耐えきれなくて、少し歩くんだけど、こどもの森は涼しいので、ふたりで出掛けようにしていた。それも、二人でお弁当を用意してピクニックのつもりで気晴らしだった。そして、ボールを持って行って、広場でパスの練習とかもしていた。
「シュウと初めてデートしたとこ あの時は楽しかったよー」
「そうか ななの あの時 はしゃいでいたなぁー」
「だって 嬉しかったんだものー」と、僕の腕を取って絡ませてきていた。
彼女は、もう女としてのしぐさを自然と身に付けてきているんだと、僕は感じていた。だけど、僕にとっては、まだ子供なんだからと自分に言い聞かせていたのだ。
「なぁ 暑っ苦しいから 離れろよー」
「なんだァー 冷たい言い方! 最近 シュウって 私に 妙に冷たいよね」
「そんなこと 無いよ ななのは 可愛いと思ってるよ」
「そう カナーぁ 部屋ん中でも なんか 私に近寄んないよーにしてるみたい」
「それは ななのの勉強のじゃましちゃぁー いけないと思って」
「それだけ?」
「うん まぁ」
「ふ~ん 複雑 私は・・・」
「バカ 僕だって・・ あのさー 実家から また ななのちゃんを連れておいでよって かがみさんも」
「わぁー うれしい! いきたいなぁー」
「お盆の後なんだけどね 近くの祭りがある 花火なんかもやるんだよ」
「うん いいねぇー 行く! 連れてってぇー」
「かがみさんはな 10月に赤ちゃん 生まれるんだって だから、今度はあんまり面倒みれないかもって言っていた」
「そーなの じゃぁー おじゃまかなー」
「でも いいんじゃぁないか 連れておいでよって言ってんだから ウチの母も楽しみにしてるってんだから」
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