博士の挑戦状
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十四話
第二十四話 博士の気まぐれ
博士は研究所で昼食を食べつつこんなことを言った。
「戦うぞ」
「誰とですか?」
「先生達と吸血鬼じゃ」
こう小田切君に答えた。
「彼女達とな」
「戦ってですか」
「楽しみたいのじゃが」
「まあ相手の人達がいいって言えばいいんじゃないですか?」
小田切君は博士にこう答えた。
「先生達も吸血鬼ってカーミラさんですよね」
「うむ」
「別に悪いことしてないですから」
「悪人でない者を殺したりはせぬ」
博士は自分のポリシーを話した。
「小悪党を殺すがな」
「大悪党はいいんですね」
「大悪党は勝負を問答無用で挑む」
そうするというのだ。
「そして善人にも挑むが」
「その場合はどうします?」
「挑戦状を送る」
まずはそうするというのだ。
「そして相手が受けて立つならな」
「僕が今言った通りですね」
「そのうえで勝負を行う」
そうするというのだ。
「わしはな」
「じゃあそうしたらいいかと」
野菜スティックとトースト、それに生の人参を多く入れたサラダとほうれん草のスープという昼食を楽しむ博士に答えた。
「僕はそうすべきと思ってましたし」
「うむ、ではな」
「そのうえで、ですね」
「わしは堂々と勝負を挑みな」
「楽しまれるんですね」
「そうする」
「そういうことで」
小田切君はあっさりとした口調で応えた。
「楽しまれて下さい」
「ではな、しかし昼はこうして野菜を主に食ってな」
「デザートも果物ですね」
「それにシードルを飲む、これもよいのう」
「博士って野菜や果物もお好きですしね」
「食事はバランスよくじゃ」
野菜スティックを食べつつ小田切君に話した。
「不老不死でも食生活には気をつけんとな」
「健康によくないですね」
「それでじゃ」
今は野菜それに果物を多く食べるというのだ、博士は食後三通の挑戦状を書いた、そしてそれぞれの相手に送ったのだった。
第二十四話 完
2022・12・30
ページ上へ戻る