その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう
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土曜日の朝、グラウンドにはクラブの少年たちが揃っていて、少し離れて、女の子達が。その中にななのちゃんの姿もあった。メンバーに紹介されている様子だった。並んでいるところを見ると、ななのちゃんはそんなに背が大きい方では無いなと思っていた。まだ、小学生みたいなのだ。
朝宮さんにお願いしていたシューズは、今年、高校になって学校のクラブに入った子が小さくなって残していたものだと、手に入れていてくれた。それを、ななのちゃんに用意したものを穿いていた。
その後は何人かに別れてキックの練習をしていたみたいだけど、お昼前に朝宮さんのもとに行って
「どうですか ななのちゃん 緊張しているみたいだけど」
「あぁ 初めてなのに もう 周りに合わせてるよ もともと勘がいいんだろうな あの子は伸びるよ」
「そうですか 良かった 見てると 楽しそうにやっているし」
その時、ななのちゃんは僕を見つけたのか、手を振ってきていた。それで、僕も振り返していたのだ。
「北番君 君達は 仲が良くていい関係みたいだな」
「はぁ あの子が明るくなって 良かったなって思っています これから、もっと、活発になってくれればと 今までのぶんも」
「そうか 実は、僕も 彼女に期待している部分もあるんだよ ななのの横に居る背の高い子 リョウ やっぱり、初めてだというんだけどね あの子もセンスある この二人は良いよー 楽しみなんだよ」
「そうですか よろしくお願いします」と、僕は、とりあえず安心していたのだ。
その日、帰るとななのちゃんが部屋に居て、僕の晩ご飯の用意をしていてくれていた。
「お帰り シュウ 今日 楽しかったよー あのね シャワー 借りちゃった」
「あぁ 良いよー 走り回っていたみたいだものなー」確かに、Tシャツと短パンに着替えていた。
「うふっ 汗かいちゃった 今日はハンバーグね シュウが食べる前に焼いてから帰るから」
「えー 遅くなるやんか」
「いいの お母さんも帰り遅いしー」
「うーん じゃぁ 送って行くよ 暗いし」
「いいの! 私 走って帰る それに、焼き立て食べてもらわないと意味ないよー」
と言っていたけど、自分で焼けると言って明るいうちに帰らせたのだけど、焼きあがったのは、表面が黒焦げになってしまったのだ。
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