柴犬は猟犬

　　　　　　　　　　　　　　　　柴犬は猟犬
　家で茶色と白の柴犬の子犬を迎えてだった。
　高校生の九条由利香は友人の小野瑠衣にクラスでこんなことを言った。
「可愛いのよ、雄でね」
「柴犬ね」
「そう、狼に似てるけれど」
　にこにことして言うのだった、背は一五〇位ですっきりした顎の顔で明るい黒目がちの目で黒髪を長く伸ばしている。大きめの唇はピンクで胸が大きい。
「小さくてね」
「可愛いのよね」
「そう、それでね」
　自分より頭一つ大きくきりっとした顔立ちに五角形の顔で茶色の髪の毛をショートにしたすらりとしたスタイルの瑠衣に話した。制服はダークグリーンのブレザーでグレーのスカートと青いネクタイと白いブラウスといったものだ。
「尻尾だってね」
「くるって巻いて」
「それで黒い目がきらきらしててよ」
「それもいいのよね」
「だからね」
　にこにことして言うのだった。
「うちに来てね」
「嬉しいのね」
「嬉しくて仕方ないわ、うちペットに金魚いるけれど」
「そこに犬も来て」
「尚更いいわ」
「よかったわね」
「ええ、ただね」　
　ここでだ、由利香は。
　瑠衣の返事を聞いてだ、気付いた顔になって問うた。
「随分柴犬に詳しいわね」
「親戚で飼ってるお家があるから」
「それでなのね」
「知ってるのよ」
「そうなのね」
「だからね」
　瑠衣は由利香に話した。
「色々言えるのよ」
「私より詳しいとか」
「そうかもね」
　瑠衣も否定しなかった。
「だから何かあったらね」
「アドバイスしてくれるの」
「私でよかったら」
　こう述べた。
「そうしていいかしら」
「それじゃあね」
　由利香もこう答えた。
「宜しくね」
「それじゃあね」
「ええ、しかし柴犬って可愛いわね」
「それはね、ただ柴犬のことをよく知っていってね」
「あんたに聞いて」
「自分でも勉強してね、まあ一緒にいたら」
　その柴犬と、というのだ。
「色々わかってくるわ」
「そうなのね」
「ええ、そうもなってくるわよ」
　由利香に真面目な顔で話した。
「そのうえで私にもお話してね」
「そうさせてもらうわ」　
　由利香もそれならと答えた、そしてだった。　
　柴犬をジロと名付け一緒に暮らしていった、すると由利香は休日の散歩の時にたまたま合った瑠衣に言うことがあった。二人の家は小学校と中学校は学区の関係で違ったが近所同士なのだ。