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新オズのカボチャ頭のジャック

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第一幕その十

「この国の色になりたいってね」
「エメラルドの都のですか」
「そこにね」 
 まさにというのです。
「そうしてみたらいいよ」
「それじゃあ」
 恵梨香も他の子達も樵の言葉に頷いてでした。
 それぞれエメラルドの都の色になりたいと思うとでした。
 五人共髪の毛と目の色が緑になりました、それでお互いに言い合いました。
「緑ね」
「それになったわね」
「髪の毛も目も」
「奇麗な緑色のなったよ」
「木の葉みたいな」
 お互いに見合ってお話します。
「不思議な感じだよ」
「そうだね」
「これまでの色が一変するなんて」
「緑になるなんて」
「髪の毛や目の色が」
「そうだね、けれど戻りたいって思ったら」
 またかかしが言ってきました。
「戻れるよ」
「そうですね」
「今元に戻りたいって思ったら」
「それぞれの色に戻りました」
「本来の色になりました」
「そうなりました」
「これもオズの国だよ、お伽の国だからね」
 それ故にというのです。
「こうしたことも普通にあるんだよ」
「そうなんですね」
「お伽の国だからですね」
「髪の毛の色も変えられますか」
「目の色も」
「それぞれの国の色になれるんですね」
「そして戻れるよ」
 このことも可能だというのです。
「何時でもね」
「これもまたオズの国だよ」
 ジャックも言います。
「面白いよね」
「面白いというか」
 こう言ったのは恵梨香でした。
「まさにオズの国で」
「それでだね」
「不思議で仕方ないわ」
「あと染めたりカラーコンタクトもね」
「あるのね」
「それでも色を変えられるから」
「それぞれの色だけでないのね」
「そうだよ」
 こう言うのでした。
「オズの国のね」
「そうなのね、ただ私はね」
 恵梨香はにこりと笑ってジャックに言いました。
「普段はいつも通りでいいわ」
「黒い髪の毛と黒い目でだね」
「ええ、この二つが好きだから」 
 自分自身のというのです。
「だからね」
「恵梨香はこのままでいいんだ」
「お母さんにもお祖母ちゃんにも褒められてるし」
「そうなんだね」
「この黒い髪の毛と黒い目がね」
 この二つがというのです。 
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