星河の覇皇
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第八十三部第三章 今だ目覚めずその三十七
「だからだ」
「強い」
「そのことはですね」
「事実ですね」
「だから楽な戦いではないが」
それでもというのだ。
「諸君ならばだ」
「勝てる」
「左様ですね」
「ティムール軍に」
「充分にな、だからだ」
それ故にというのだ。
「何があってもだ」
「シャイターン主席とは戦わず」
「他の司令官が率いる軍と戦い」
そのうえでというのだ。
「敵の戦力を減らし」
「領土もですね」
「手に入れていき」
「敵を弱めていく」
「まだティムールが所有している星系は多く」
アッディーンは今の戦局の話もした。
「敵の第二次防衛ラインを粉砕してもだ」
「敵の星系はまだ多いですね」
「そしてだ」
アガヌにも話した。
「敵の戦力もまだ多いだろうが」
「それでもですね」
「戦いの流れは完全に我々に傾く」
「オムダーマンに」
「そうなるからだ」
それ故にというのだ。
「ここはだ」
「徐々にですね」
「敵を叩いていきだ」
「星系を奪っていく」
「一つ一つでもな」
星系のそれをというのだ。
「そうして敵の力を削ぎ」
「サマルカンドまで、ですね」
「至る、敵の第二次防衛ラインを粉砕した時には」
まさにその時はというと。
「シャイターン主席も戦線に復帰しているだろうが」
「その時にはですね」
「もう戦争は決している」
その流れはというのだ。
「ターニングポイントを迎えている」
「シャイターン主席ですら覆せない」
「いや、こちらが誤ればだ」
「その時はですか」
「覆せる」
こうアガヌに話した。
「それが出来る」
「そうなりますか」
「例え敵の第二次防衛ラインを粉砕してもな」
それで戦争の流れをこちらのものにしてもというのだ。
「決定打であってもな」
「こちらが失態を犯せば」
「例えば私がシャイターン主席に対して戦力の逐次豆乳を行う」
「閣下でなければ戦えないというあの御仁に」
「そして戦力を失うか」
アッディーンはさらに話した。
「私が油断してだ」
「そしてですか」
「シャイターン主席の奇襲を受け」
「それで、ですね」
「戦死すればな」
そうなればというのだ。
「同じだ」
「その場合も」
「私が戦死すれば」
「オムダーマンは、ですね」
「終わりだ」
オムダーマンは民主制だが国家元首である大統領即ちアッディーンの権限がかなり強い。その彼が命を落とせばというのだ。
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